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感染対策コミュニケーションの場

導入事例

第2回  温度管理で確実な洗浄を

有馬高原病院

KKR札幌医療センター

■住所
〒062-0931
札幌市豊平区平岸1条6丁目3-40
■病床数
450床
■全職員数
690名(平成23年4月1日現在)
■手術件数
2771件(平成22年度)
■病院のホームページ
http://www.kkr-smc.com/

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2006年4月1日に新規オープンしたKKR札幌医療センターは現在、緩和ケア病棟を備えた癌の集学的治療と、 救急医療を2本の柱とする地域の中核病院です。地域の皆様に真心を込めて高度な先進医療を提供することを目的に質の高い医療の提供に努めておられます。
中央材料室(以下、中材)においても質の高い医療を提供することを目的に洗浄・滅菌の手順を見直すと同時に常に新しい情報を入手し、また様々な工夫を凝らしながら効果的で効率的な方法の導入に努められています。

恒温浸漬洗浄槽 恒温浸漬槽 TB-1000P

導入製品

恒温浸漬洗浄槽
恒温浸漬槽 TB-1000P

恒温浸漬槽 TB-1000P導入までの道のり

- 恒温浸漬槽 TB-1000Pの導入を検討された背景は?

酵素洗浄剤は濃度や時間の管理に加えて温度管理が重要であることは周知の事実であり、当院では2年程前から発砲スチロールで独自の恒温槽を作って使用していました。見た目も随分汚れてきていたため、この機会に恒温槽の検討をしました。

 浸漬槽の大きさがちょうど良かったです。洗浄装置のバスケットがちょうど入る大きさで、しかも2段重ねにできるところが決め手になりました。また、小物入れなど活用できる付属品が用意されていたことも良かったです。

- 導入にあたり、不安なことはありませんでしたか?

恒温浸漬槽 TB-1000Pはコストの関係から、温度がデジタル表示されません。40℃が維持できていることはランプで確認するのですが、本当に40℃になっているのかどうか不安でした。しかし、実際に温度計を設置して確認したところきちんと40℃を維持していましたので、安心できました。

恒温浸漬槽 TB-1000P導入後

- 恒温浸漬槽 TB-1000Pの使用方法など、中材スタッフへの周知はどのようにされましたか?

使用方法がとても簡単でしたので、一度説明しただけで周知ができました。また、いつでも使用方法が確認できるよう、イラスト入りのマニュアルを作成し、恒温槽の横にぶら下げています

エレベーター横への設置

恒温浸漬槽TB-9000P いつでも誰でも使用方法が確認できるようイラスト入りのマニュアルが用意されている。

-現在の器材処理の手順をお聞かせください。

外来・病棟から中材に運ばれた器材は全て恒温浸漬槽TB-1000Pに30分間浸漬し、汚れがひどいものはブラッシングを加えます。その後、ウォッシャーディスインフェクター(超音波付き)で洗浄し、乾燥→包装→滅菌の流れで作業をしています。

器材の浸漬は1日に4回程度バスケット2段分とその都度少量の器材を処理し、洗浄液の交換は特に汚染がひどくない限り1日1回です。

-感染対策室と中材の関わりについて教えてください。

製品の導入の際には中材にて評価・検討しますが、必ずどのような理由で何を導入するかは感染対策室にも情報が入るようにしています。また、主任はベテランですので、ほとんど任せている状況です。ただ、ICTでも病院全体のラウンドに加えて中材におけるPPEの着脱や管理、個々の器材の洗浄・消毒方法などについてラウンドを実施し評価しています。

-現在の運用で工夫されている点を教えてください。

浸漬の際、耳鼻科用の吸引し菅や耳鏡などの小さな器材は小物入れ、プラスチック製のものには重石になるものを乗せて浮かないようにしています。また、自前でアクリル製の蓋を用意しています。蓋は浸漬槽内に不必要なものの落下防止になるほか、保温ができますので電気代の節約にもつながります。

-恒温浸漬槽TB-1000P導入により何か変化はありましたか?

洗浄装置のバスケットが2段で入るため、以前の発泡スチロール製の恒温槽より一度に多くの器材が処理できるようになりました。当院の中材は3名体制ですので、恒温浸漬槽TB-1000P導入により作業の効率が上がりました。また、ステンレス製のため見た目も綺麗になり、作業環境も良くなったように感じます。

NEXT STEP

-今後の中材および病院全体の感染対策における課題や検討事項をお聞かせください。

中材はスタッフが少ないため、全ての器材を完全に中央処理化できているわけではありません。

また、今年は職業感染防止対策として針刺しゼロ作戦を掲げ、いろいろな取り組みを行っていますので、導入効果の判断、見直しなどを随時行い、環境整備についても取り組んで行く予定です。

今回インタビューさせていただいた方々

小野寺 文枝 様

小野寺 文枝 様 中央材料室 主任 小野寺様の経歴

2002年
中央材料室勤務
2004年
ICCとして活動開始

大山 利枝 様

大山 利枝 様 感染管理師長 兼 8東病棟師長 大山様の経歴

2006年
8東病棟配属(腫瘍内科、呼吸器内科、眼科病棟)
2008年
感染管理認定看護師資格取得
ICC、ICTとして活動開始
2010年
感染管理師長
2011年
感染管理専任

平 真美 様

平 真美 様 感染管理室 平様の経歴

2003年
ICTとして活動開始
2006年
感染管理認定看護師資格取得
2011年
感染管理専従

編集後記

中材に入ったすぐのところに恒温浸漬槽TB-1000Pが設置されており、外来・病棟から運ばれた器材をすぐに浸漬できる環境が印象的でした。そして、「うちの恒温槽」と説明してくださる姿は製品への愛着を感じ取ることができ、うれしい限りでした。また、温度管理により酵素洗浄剤による洗浄を確実なものとすることで、患者安全を一番に考えておられる意識の高さを感じました。

取材日
:2011年4月22日
インタビュー
:サラヤ学術部 吉田

電話によるお問合せ: 06-4706-3938(受付時間:平日9:00~18:00)

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