学術情報

各種ガイドライン

洗浄・消毒・滅菌

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医療現場における滅菌保証のガイドライン2021(2021年)

2015年に日本医療機器学会から発表された「医療現場における滅菌保証のガイドライン2015」の改訂版です。洗浄の管理として「医療現場における洗浄」、および「用手洗浄」、「減圧沸騰洗浄器のバリデーションと日常管理」、「洗浄評価」の各章が追加されたほか、国際的な情報の参考として巻末に「医療施設でのパラメトリックリリース」、「滅菌供給部門の施設基準」、「関連するISO規格、JIS規格」が設けられています。今回の改訂では「鋼製小物の洗浄ガイドライン2004」および「洗浄評価判定ガイドライン2012」の内容も改訂の上包含されていることから、改訂前よりもボリュームが増加しています。また今回より従来からの順守勧告レベル(A/B/C)が廃止されており、ガイドライン順守については、その実態を数値で評価できる業務評価用チェックリストに委ねられることとなります。

                          

医療現場における滅菌保証のための施設評価ツールVer.1.1

本評価ツールは、2022年5月に日本医療機器学会 滅菌管理業務検討委員会によって初版のVer.1.0が策定されました(2023年にVer.1.1へ改定)。
施設の滅菌管理業務を行う上で、医療現場で働くスタッフが自施設の業務レベルを客観的に評価し、適切に行えている点、不足している点を認識し、その業務レベルを改善するために活用することができるツールです。
設問や解説の内容をより一層理解するためには、「医療現場における滅菌保障のガイドライン(2021)」を参照することが必要です。

〔2020年版〕消毒と滅菌のガイドライン

大久保憲・尾家重治・金光敬二 編集. 〔2020年版〕消毒と滅菌のガイドライン. へるす出版, 2020.
感染症法の制定により作成されたガイドラインで、2015年版より内容を見直し、最新の知見を盛り込んだ最新改訂版です。カラー写真が増え、より見やすくなりました。

本ガイドラインでは、消毒と滅菌の種類や原理などの基礎知識から、各種消毒剤の特徴や適応、感染症法における対象疾患別の感染対策・消毒方法などが詳細に記載されています。イラストや表を用いてわかりやすく解説されており、医療現場での消毒・滅菌に必要な知識を網羅できます。

また、指定感染症に追加された「新型コロナウイルス感染症」に関する対策や消毒・滅菌法や、日常的に使用される器材などの消毒・滅菌法、低水準消毒薬としてオラネキシジングルコン酸塩などが新たに追加されました。

洗浄評価判定ガイドライン(2012年)

日本医療機器学会 滅菌技士認定委員会(委員長:小林 寬伊)内の「洗浄評価判定の指針を調査・作成するための検討WG」より発表された、洗浄評価判定ガイドラインです。洗浄の重要性について触れられており、用手(浸漬)洗浄や超音波洗浄、ウォッシャーディスインフェクター(以下、WD)による洗浄の特徴や洗浄評価判定の種類や特徴が掲載されています。
洗浄評価判定方法には、器械に付着した指標物質を確認する直接判定法とWDの作動状態を確認する間接判定法があり、それぞれの方法の実施頻度についても触れられています。なお、鋼製小物の洗浄後残留蛋白質量の許容値は200μg/器械、目標値100μg/器械に決定されています。

鋼製小物の洗浄ガイドライン2004(2004年)

日本医科器械学会(現 日本医療機器学会)より発表された、鋼製小物の洗浄に関するガイドラインです。再使用鋼製小物を現場から回収し確実に洗浄するための作業工程に沿った構成になっており、実践のための具体的な方法が紹介されています。一次洗浄/消毒廃止へ向けての段階的手順、実践のポイント、効果的な洗浄を行うための乾燥した使用済み鋼製小物の有効な汚染除去方法、洗浄不良を確認するための日常業務における鋼製小物の洗浄効果判定方法について示されています。

米国

Guideline for Disinfection and Sterilization in Healthcare Facilities, 2008. Update: May 2019 (2019年)医療施設における消毒と滅菌のためのガイドライン2008. 2019年5月改訂

【訳本】
満田年宏 訳・著. 医療施設における消毒と滅菌のためのCDCガイドライン 2008. ヴァンメディカル, 2009.

米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)より2008年に発表されたガイドラインの2019年改訂版です。再生処理全般を幅広く網羅しており、洗浄、消毒、滅菌を実施する際のポイントや注意事項の他、作業者の労働衛生や職場環境の整備についても記載されています。
医療器材の洗浄、消毒、滅菌と医療環境の洗浄と消毒のより良い方法についてエビデンスに基づいた勧告が示されており、各種消毒薬や滅菌法について解説されています。改訂版では、勧告の分類に新しく「勧告あり(Recommendation)」が加えられ、クロストリディオイデス(クロストリジウム)・ディフィシルの流行やアウトブレイク時にアメリカ合衆国環境保護庁(U.S. Environmental Protection Agency:EPA)登録済みの殺芽胞性消毒剤を使用することが状況に応じて勧められています。また、内視鏡の高水準消毒に関連する詳細な勧告が追加されています。

Decontamination and Reprocessing of Medical Devices for Health-care Facilities 2016医療施設のための医療機器の除染と再生処理

院内における医療機器の洗浄や滅菌などの再生処理に関する世界共通の目標指針として、2016年にWHOより出版されました。
滅菌の一般的な特徴、SSDにおけるスタッフの配置、滅菌サービス部門(SSD)、医療機器の洗浄、再生処理のための準備及び包装、化学消毒剤、内視鏡の除染、再使用可能な医療機器の滅菌、単回使用医療機器の再使用、除染施設への医療機器の搬送、歯科診療における器具の処理の全11章で構成されています。
和訳はWHOの許諾を得て日本医療機器学会によって作成されており、学会からは、日本語訳と英文原書に齟齬がある場合は英文原書に準拠するよう通知されています。