文献紹介

病原体別

Nose picking and nasal carriage of Staphylococcus aureus

鼻ほじりと黄色ブドウ球菌の鼻腔保菌

人間の約3分の1は鼻腔に黄色ブドウ球菌を保菌している。そこで、鼻をほじることが、黄色ブドウ球菌の鼻腔定着の決定因子になるかを調査している。
大学病院の耳鼻咽喉科(ENT)外来を訪れた患者と、健常なボランティア(医学生、研究者を含む病院職員)を対象として、鼻の症状(鼻水、鼻炎など)と鼻にまつわる行動(鼻をかむ、鼻をほじるなど)に関するアンケート、および鼻腔培養によるスクリーニングを行った。またENT患者については、ENTの医師が鼻腔検査を行い、鼻をほじったと思われる兆候(鼻前庭炎、反復性鼻出血、鼻中隔の角化亢進、鼻前庭の擦過傷、あらゆる鼻の損傷など)を調べた。
その結果、鼻をほじるENT患者の黄色ブドウ球菌の鼻腔保菌率は54%と、鼻をほじらない患者における保菌率36%と比較して有意に高かった(相対リスク1.51〔95%CI,1.03-2.19〕)。また、健常ボランティアにおいては、自己申告による鼻ほじりの頻度が、培養陽性率(R=0.31; P=0.004)および鼻腔内の黄色ブドウ球菌量(R=0.33;P=0.002)のいずれとも統計学的に有意な正の相関関係を示した。これらの容量反応関係は、鼻ほじりと黄色ブドウ球菌の鼻腔内保菌における因果関係を示唆している。鼻ほじりは黄色ブドウ球菌の鼻腔保菌と関連があり、また原因であろうと考えられる。

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