文献紹介

手指衛生

Evidence-based hand hygiene: Liquid or gel handrub, does it matter?

エビデンスに基づく手指衛生:液状またはジェル状の手指消毒剤どちらが重要ですか?

本研究では、液状およびジェル状のアルコール手指消毒剤について、臨床現場での適用性を比較検討することを目的とした。医学生340名を対象とし、アルコール手指消毒剤の使用量(1.5mLまたは3mL)を無作為に割り付け、各被験者に液状およびジェル状製剤の両方を2週間の間隔をあけて使用させた。蛍光標識されたアルコール手指消毒剤とデジタル全自動システムを用いて、手指表面の未被覆率や擦り込み時間、手からの液だれの程度を評価した。
その結果、アルコール手指消毒剤1.5mL使用時は剤形にかかわらず、手指表面の未被覆率が5%以上となった。一方、アルコール手指消毒剤3.0ml使用時では未被覆率がジェル状2%、液状1.1%に改善した。塗布から乾燥に要した時間について、アルコール手指消毒剤1.5mL使用時は、液状で32秒、ジェル状で30秒、アルコール手指消毒剤3mL使用時は、液状で42秒、ジェル状で40秒であった。剤形別の特徴として、液状は少量でも広がりやすい一方で液だれが起こりやすいのに対し、ジェル状は粘度が高いため、多量でも手に留まりやすく扱いやすいという傾向がみられた。以上の結果から、手指表面の未被覆率や擦り込み時間は、剤形の違いよりもアルコール手指消毒剤の使用量による影響が大きく、ジェル状と液状との間で臨床使用上の適用性に明確な優劣は認められなかった。