文献紹介

手指衛生

The impact of workload on hand hygiene compliance: Is 100% compliance achievable?

作業負荷が手指衛生遵守率に与える影響:100%遵守は達成可能か?

医療従事者は作業負荷が増加すると、⼿指衛⽣遵守率が低下する可能性が示唆されている。本研究では、STAR*ICU研究のデータを用いたレトロスペクティブ調査により、手指衛生(アルコールによる手指消毒、または石けんと流水による手洗い)遵守率を解析した。作業負荷は、1 時間当たりの手指衛生が必要な機会数(以下、機会数)で評価した。 機会数は42,349回特定され、1時間あたりの機会数が5〜30回の範囲では遵守率は約40%で安定していたが、30回を超えると遵守率が著しく低下した。また、機会数が1回増えるごとに遵守率が約1%低下した。特に医師の関与が多い複雑なケアや隔離予防策が必要な場面で、遵守率の低下が顕著であった。
さらに作業負荷が増加に伴い、関与する医療従事者の職種も多様化し、医師やコメディカルの機会数が増加した。加えて、開放創処置や滅菌関連業務の割合も増加した。高い手指衛生遵守率を維持するには、作業負荷に応じた適切な人員配置が必要であることが示された。