文献紹介

環境管理

Evaluating the risk of Clostridioides difficile infection from toilet flushing: a quantitative microbial risk assessment and implications for infection control

トイレの洗浄によるクロストリジオイデス・ディフィシル感染リスクの評価:定量的微生物学的リスク評価と感染制御への示唆

本研究は、トイレのフラッシングによるClostridioides difficile infection(CDI)伝播リスクを調査するため、14 日間にわたり、トイレに 10 7 cfu/mL のC. difficile胞子懸濁液を接種後1 日 1 回フラッシングし、フラッシング後の空気中および高頻度接触面(洗浄ボタン、便座、蓋、床)の汚染を評価した。次に定量的微生物リスク評価(QMRA)を用いて、保菌者が使用した後の利用者に及ぼす感染リスクを推定した。
結果、フラッシング後のバイオエアロゾル濃度は平均29.50 ± 10.52 cfu/m 3で、高頻度接触面には約3~11 cfuが付着した(便座への平均付着菌数は11.29cfuで最も汚染度が高かった)。また、フラッシング後10分以内に相対湿度は約31%上昇し、エアロゾル化したC. difficileの生存率や伝播性を高める可能性が示唆された。QMRAの結果は、フラッシュボタンへの接触およびバイオエアロゾルの吸入による曝露は、特に複数回の曝露を伴う場合において C. difficileの感染リスクが高く、EPAやWHOが定める許容感染リスク閾値を上回ることが示された。