感染対策実践ガイド

環境整備

環境整備の基本的な考え方

環境からの感染の多くは人の手指を介して伝播します。そのため、すべての場所を一律に清掃するのではなく、手指の接触頻度に応じた優先順位付けが重要です。特に、患者(利用者)や職員が頻繁に触れる場所(高頻度接触表面)と、そうでない場所(低頻度接触表面)に分けて対応を考えます。

各表面の処理法(例)

分類

例

処理法

医療機器表面

医療機器のモニター類 など

あらかじめカバーする、または適切な清掃・消毒

高頻度接触表面

ドアノブ、ベッド柵、オーバーテーブル、床頭台、スイッチ など

1日1回以上の清掃・消毒

低頻度接触表面

水平面

床、窓の敷居 など

定期清掃、汚染時清掃、退院時清掃

垂直面

壁、カーテン など

汚染時清掃

文献1より一部改変

環境表面からの感染リスク

感染リスクの指標である「スポルディングの分類」において、環境表面は傷のない皮膚にのみ接触する「ノンクリティカル」に分類されます。そのため、滅菌や高水準消毒薬は不要です。日常的には洗浄(汚れの除去)を主軸に考え、血液や体液による汚染がある場合や特定の病原体による汚染がある場合にはそれぞれに有効な消毒薬を選択し、適切に処理を行います。

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スポルディングの分類について「医療器材の再生処理」でご紹介しています。
詳しくはこちら

清掃時のポイント

清掃を行う際は、汚染を広げない、汚染を残さないことが求められます。
清掃時に徹底すべきポイントを以下に示します。

  • 一度拭いたところには戻らず一方向に清掃する(往復させない)

  • 清潔箇所から汚染箇所へ、上方から下方へ清掃する

  • 拭き残しがないように注意する(隙間をつくらない)

参考

1)大久保憲, 尾家重治, 金光敬二 編集, 2025年版 消毒と滅菌のガイドライン, へるす出版, 東京,  2025.

2)Assadian O, Harbarth S, Vos M, et al.: Practical recommendations for routine cleaning and disinfection procedures in healthcare institutions: a narrative review. J Hosp Infect. 2021; 113: 104-114.