「第35回 日本環境感染学会総会・学術集会」開催レポート
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2020年2月14日(金)~15日(土)にパシフィコ横浜にて、第35回日本環境感染学会総会・学術集会が開催されました。弊社は「ランチョンセミナー」の共催と「展示」への出展企業として参加いたしました。
ランチョンセミナーでは、森屋 恭爾先生(東京大学大学院医学系研究科感染制御学)に司会をお勤めいただき、四宮 聡先生(箕面市立病院 感染制御部)に『病院はエビデンスだけでは変わらない~カルチャーを変える感染対策~』というテーマでご講演いただきました。
展示会場では、シンバイオティクス食品「シングラフィー」や発売予定の自動手指衛生装置「ICS-1」、「針捨てBOX回転タイプ」などの様々な製品を多くのご来場者様にご紹介させていただきました。
ランチョンセミナーならびに展示会場へご来場いただきました皆様に心より感謝申し上げます。
- 学会全体を通して
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「令和」初めての開催となった第35回のテーマは「わ」とされました。「わ」には、会員の知識と経験を分(わ)かち合うことが学術集会の意義の一つであることや、会員の湧(わ)き出る発想力で日本の感染制御が更に発展していくことへの期待など、様々な意味や思いが込められています。開催時期には日本国内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生していたことから、いくつかの講演に代わり、急遽、新型コロナウイルス感染症に関する講演が企画されました。その他、委員会企画や特別講演、ワークショップ、シンポジウム、ランチョンセミナー、スイーツセミナーなど合計1,000題を超える講演に7,000名を上回る参加者が集まり、活気に満ちた会となりました。
- ランチョンセミナー
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日時 2020年2月14日(金)12:20~13:10 会場 第3会場(パシフィコ横浜 会議センター5階 501) 演題 病院はエビデンスだけでは変わらない~カルチャーを変える感染対策~ 司会 森屋 恭爾先生
東京大学大学院医学系研究科感染制御学
演者 四宮 聡先生
箕面市立病院 感染制御部
講演より
病院の感染制御に対するカルチャー(文化)を変える方策について、四宮先生にご講演いただきました。
冒頭では、四宮先生が初めて業務改善を図られたご経験についてお話しいただきました。その際に、根拠よりも合意形成の方が重要視されることが多く、理屈を語るだけでは失敗してしまうことに気付かれたそうです。その他の気付きとして、変更後の業務が病院や組織に適応できるかを事前に熟考する必要があること、色々な人の話を聞く・人を巻き込むことが成功の鍵を握っていることを挙げられていました。また、カルチャーを変えるためには目標を共有したチームを機能させていくことが不可欠であり、目標を共有する前には信頼関係を構築しておくことが重要だとご教示頂きました。ご講演の最後には「将来に目を向け、一度で諦めずに粘り強く改善に取り組んで欲しい」と、参加者の皆様にエールを送られました。
ご講演の中で、「ヒトはもともと自分から変化することを好まない傾向が染み付いている」とのお言葉があり、非常に印象的でした。変化を望まないヒトの心理と向き合いながら日々奮闘されている感染管理担当の方々の苦難や、一度染み付いたカルチャーを変えることの難しさを痛感いたしました。受講者の声(抜粋)
- 効果的な戦略立案が印象に残った。なかなか職員に周知徹底を望むのは難しいと思っていた。これからのヒントになった。
- 一人でするには限界がある。人の巻き込み方などがとても参考になった。
- 感染対策において業務改善を遂行するためのHow toを楽しく拝聴させていただいた。
- 業務改善の難しさをわかった上でどうしたらいいかの提案や成功例等が聞けて参考になり、モチベーションが上がった。
- 病院での文化をどのように変えていくかヒントをいただいた。変わるのを好まない病院だが、巻き込みながら今後もやっていけたらと思う。
- 展示
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今年度は「これが、サラヤ品質」をテーマに、手指衛生剤、個人防護具、環境整備関連製品、ベッドパンウォッシャー等数多くの製品を展示いたしました。また、シンバイオティクス食品「シングラフィー」や発売予定の自動手指衛生装置「ICS-1」、医療廃棄物回収容器「針捨てBOX回転タイプ」もご紹介させて頂きました。展示では、医療従事者向けの手洗い設備に関するアンケートを行い、約300名の方にお答えいただきました。アンケート調査の結果では、自施設の手洗い設備の満足点として、自動水栓設備があることが最も多い回答でした。不満点でも、自動水栓設備がないとの回答が最も多く、自動水栓の有無が手洗い設備の満足度に大きく影響を及ぼす可能性が示唆されました。また、自施設の手洗い設備において感染対策に配慮できていない理由として、水跳ねしやすいとの意見が多く挙げられていました。感染対策に配慮した手洗い設備は、98%の人が必要であると回答しました。ご記入頂いた皆様ありがとうございました。
- Medical SARAYA事務局より
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本年は、東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、また新型コロナウイルス感染拡大により、世間の感染対策意識が高まる中での開催となりました。
新型コロナウイルスへの対応等でお忙しい中、弊社のランチョンセミナーおよび展示ブースにご来場いただきました皆様に改めて御礼申し上げます。
頂戴したご意見・ご要望は、今後の弊社の事業に役立てていく所存でございます。
次回は「一竜一猪」をテーマに、2021年9月19日(日)~20日(月・祝)に名古屋国際会議場にて開催される予定です。
メーカーとして、感染対策に励む皆様に、少しでもお力添えができるよう励んで参ります。今後とも、より一層のご指導、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。