手術室の感染対策-Surgical SARAYA-
| キーワード | ラビング法、ウォーターレス法、ツーステージ法、スクラビング法、揉み洗い法 |
|---|
- いま、ラビング法を採用する施設が増えています。
-
手術時手指衛生は、通過菌の除去および皮膚常在菌の減少を目的に医療従事者が手術前に行う手指衛生のことで、ラビング法※とスクラブ剤を用いた消毒法(スクラビング法、揉み洗い法、ツーステージ法)に大別されます。
ラビング法とスクラブ剤を用いた消毒法の「消毒効果」を比較した報告では、有意差がなかったとする報告とラビング法のほうが優れていたとする報告があり、その評価は定まっていません。また、ラビング法とスクラビング法において「SSI(手術部位感染)の発生率」は差がないことが報告されています。
一方、「コスト」に関しては、ラビング法はスクラブ剤を用いた消毒法と比べ、経費がおよそ2分の1から8分の1になることがいくつかの報告で認められており、経済的です。また、ラビング法で用いるアルコール手指消毒剤はスクラブ剤と比較して、皮膚への影響が少なく、医療従事者から使用を好まれることが報告されています。
ラビング法は、欧州では以前からよく行われていた方法ですが、日本においては、2002年にCDC(Centers for Disease Control and Prevention:米国疾病予防管理センター)が発表した「医療現場における手指衛生のためのガイドライン」においてアルコール手指消毒剤を用いた手術時手指消毒方法が推奨されて以降、採用する施設が増え始め、現在においても増加傾向にあります。
※ラビング法は、ウォーターレス法と呼ばれる場合もあります。
- ラビング法の手順(例)
-
ヒビスコール®液A0.5%の使用例
爪先が汚れている場合には、ネイルクリーナーを用いて流水下で汚れを取り除く。
ヒビスコール®液A0.5%は、手と前腕にまんべんなく塗布する。推奨消毒時間内は、ヒビスコール®液A0.5%が乾燥しないように適宜追加する。
スクラビイン®S4%とヒビスコール®液A0.5%の使用例

