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セミナー・展示会情報

「第32回 日本環境感染学会総会・学術集会」開催レポート

2017年2月24日(金)~25日(土)に神戸国際展示場・神戸国際会議場・神戸ポートピアホテルにて、第32回日本環境感染学会総会・学術集会が開催されました。サラヤは「アフタヌーンセミナー」ならびに「ランチョンセミナー」の共催と「展示」への出展企業として参加いたしました。
アフタヌーンセミナーでは、一山 智先生(京都大学大学院/京都大学医学部附属病院 感染制御部)に司会をお勤めいただき、Didier Pittet先生(Infection Control Programme and WHO Collaborating Centre on Patient Safety, The University of Geneva Hospitals and Faculty of Medicine, Geneva, Switzerland)に2014年 西アフリカでのエボラ出血熱アウトブレイクへの対応についてご講演いただきました。
ランチョンセミナーでは、坂本 史衣先生(学校法人 聖路加国際大学 聖路加国際病院 QIセンター 感染管理室)に司会をお勤めいただき、林三千雄先生(住友病院 感染制御部)に手指衛生の遵守率向上に向けた、自動モニタリングシステム(MedSense™)を用いた取り組みを中心にご講演いただきました。展示会場では、MedSense™の動きをご体験頂くなど、ご来場の皆さまに弊社の製品をご紹介させていただく良い機会となりました。アフタヌーンセミナーならびにランチョンセミナー、展示と大変多くの方々にご来場いただき、誠にありがとうございました。

学会全体を通して

第32回日本環境感染学会総会・学術集会では、「感染制御学の基本と革新 ‐感染症拡大を防ぐ‐」をテーマに、手指衛生や環境整備、新興感染症、薬剤耐性菌、震災時の感染対策、医療におけるコンピューターの活用など多岐にわたる内容で、1,000題を超える一般演題の他、興味深い招請講演や特別講演、教育講演、シンポジウム、ランチョンセミナー、スイーツセミナー、アフタヌーンセミナーなど数多くの講演が行われました。近年では耐性菌増加が世界的な問題となっており、2016年4月に日本でも「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が策定された影響か、本学会でも薬剤耐性菌やその対策、アクションプラン、ワンヘルスに関するセミナーや講演が多く見受けられました。学会全体を通して2日間では吸収しきれないほどの情報が惜しみなく提供され、熱心にディスカッションされていました。最終的には参加者総数7,200名を超え、活気に満ちた会であったと思います。

アフタヌーンセミナー

Didier Pittet先生(Infection Control Programme and WHO Collaborating Centre on Patient Safety, The University of Geneva Hospitals and Faculty of Medicine, Geneva, Switzerland)に2014年 西アフリカでのエボラ出血熱アウトブレイクへの対応についてご講演いただきました。

日時 2017年2月24日(金)17:00〜17:50
会場 第10会場(神戸国際会議場 5階501)
演題 アフタヌーンセミナー4
New challenges in infection control, fighting Ebola
感染管理における新たなる挑戦―エボラとの戦い
演者 Didier Pittet先生
Infection Control Programme and WHO Collaborating Centre on Patient Safety, The University of Geneva Hospitals and Faculty of Medicine, Geneva, Switzerland
司会 一山 智先生
京都大学大学院 教授
京都大学医学部附属病院 感染制御部部長

講演より

2014年に西アフリカで流行したエボラ出血熱(以下、エボラ)の感染経路および症状、治療法、感染管理方法などについて、Pittet先生が実際にエボラの患者を治療した経験を交えてご講演いただきました。特に、Pittet先生の専門分野であるエボラの感染管理方法について重点的にお話しいただき、アルコール手指消毒の励行や個人防護具の二重装着、個人防護具着脱の訓練を繰り返し行うことの重要性をご教授いただきました。エボラの恐ろしさを感じる一方、事前の訓練やリスク管理の重要性を実感いたしました。
また、ご講演の中で、ギニア共和国で現地の人々と一緒にアルコール手指消毒剤を作ったことや、個人防護具の着脱方法の訓練をした様子を写真と共にご紹介いただき、コミュニティ全体で情報を共有し、一体となって感染対策を行うことの大切さを再認識いたしました。
講演終了後には、Pittet先生の伝記「いのちを救う、手洗いを(ティエリー・クルーゼ グローバルプロジェクト)」へのサイン会ならびに先生との写真撮影会を行い、大いに盛り上がりました。また、聴講いただいた「医療現場における手指衛生のためのCDCガイドライン」の共同執筆者のJohn Boyce先生もサイン会兼写真撮影会に飛び入りで参加されました。

受講者の声(抜粋)

  • エボラではDouble protectが基本であることや、手指衛生の徹底の重要性など知ることができた。
  • エボラのことを知りたかったのでパーフェクトに情報をもらった。
  • スイス(ジュネーブ)のような先進国での治療の実際とアフリカでの様子の両方を知ることが出来てとても興味深かった。物資が乏しく暑いアフリカは少し他人事のような気もするが、ジュネーブの例は日本にもエボラの患者が入院したら...という視点で講演を聴くことが出来た。
  • トレーニングをするのにも病院だけでなく、県・国として取り組む必要があると思った。
  • 今後の当院の訓練に生かせる話だった。
ランチョンセミナー

林三千雄先生(住友病院 感染制御部)に手指衛生の遵守率向上に向けた、自動モニタリングシステム(MedSense™)を用いた取り組みを中心にご講演いただきました。

日時 2017年2月25日(土)12:30〜13:20
会場 第2会場(神戸国際展示場 2号館2階 2A会議室)
演題 ランチョンセミナー12
どう向上させる?手指衛生遵守率~自動モニタリングシステムを用いた取り組みを中心に~
演者 林 三千雄先生
一般財団法人 住友病院 感染制御部 診療主任部長
司会 坂本 史衣先生
学校法人 聖路加国際大学 聖路加国際病院
QIセンター 感染管理室 マネジャー 感染管理認定看護師

講演より

手指衛生遵守率(以下、遵守率)をどう向上させるのか、手指衛生自動モニタリングシステム (MedSense™)(以下、AMS) の導入事例について、フィードバック方法の工夫などを交えてご講演いただきました。
住友病院では、AMS導入前には直接観察法で遵守率を測定していましたが、遵守率が十分に向上せず、ホーソン効果の影響が懸念されたため、個人単位で遵守率をフィードバックでき、ホーソン効果を受けにくい方法としてAMSを試験的に導入されました。AMS導入後の遵守率は向上し、病棟全体の遵守率変化や対象者の遵守率分布変化について具体的なデータをご教示頂きました。特にリマインダー機能に追加して個人単位で集中的にフィードバックしていく方法が遵守率向上に有効であり、遵守率の低いスタッフへは個人の遵守率グラフを用いた個別教育などを展開されていました。
感染対策推進者が積極的に遵守率向上に取り組むことで、遵守率が上がるだけでなく、院内で働く人たちに手指衛生は避けては通れないものである、と認識してもらうことができます。「医療従事者にとって手指衛生は決して努力目標ではなく、確実に実施されなければならない」という、手指衛生そして感染対策に対する林先生の熱いお気持ちをお話しいただきました。
手指衛生自動モニタリングシステムは遵守していない人(=悪い人)を見つけるために行うのではなく、手指衛生を無意識に行うことができるように、遵守率向上のお助け役的な存在として利用するというお話が非常に印象的でした。

受講者の声(抜粋)

  • 当院でも遵守率向上と個人の認識定着に向けて対策を考えており、その参考になった
  • MedSense™の導入は困難とは思うが、手指衛生ラウンドの負担軽減にもつながり、直接観察とシステムのデ―タを合わせることで「客観的なデ―タ」の信用性もUPすると思う
展示

展示ブースでは、新製品のプライムバリアローション、ハイブリットグローブさくら、サラヤ ジアクロスを中心に、手指衛生、個人防護具(PPE)、医療器具洗浄、環境整備に関連する弊社製品や冊子などを展示しました。実際に製品をご体験頂くコーナーとして、手指衛生遵守向上モニタリングシステム「MedSense™」のデモンストレーションを実施しました。体験者の方には、実際にバッジを装着し、手指消毒をした場合としなかった場合、それぞれで患者ゾーンに接近していただき、手指消毒をしなかった場合はバッジが振動してリアルタイムで警告があることをご体感頂きました。

Medical SARAYA事務局より

弊社のアフタヌーンセミナーおよびランチョンセミナー、展示ブースにご来場いただきました皆さまに改めて御礼申し上げます。
アフタヌーンセミナーおよびランチョンセミナー、展示ブースにて頂戴いたしましたご意見、ご要望は今後の弊社の事業に役立てていく所存でございます。
来年は「感染制御におけるBest Practiceの追求」をテーマに2018年2月23日~24日までグランドプリンスホテル新高輪・国際館パミール・グランドプリンスホテル高輪にて開催されます。メーカーとして感染対策に励む皆さまのお力添えができるよう励んで参りますので、今後とも、一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。