「第30回 日本環境感染学会総会・学術集会」開催レポート(記録集PDFあり)
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2015年2月20日(金)~21日(土)に神戸国際展示場・神戸国際会議場・神戸ポートピアホテルにて、第30回日本環境感染学会総会・学術集会が開催されました。サラヤは「ランチョンセミナー」の共催と「展示」への出展企業として参加いたしました。
ランチョンセミナーでは、小西 敏朗先生(東京医療保健大学 副学長)に司会をお勤めいただき、清水 潤三先生(大阪労災病院 肝胆膵外科 部長)に手術部位感染対策についてご講演いただきました。展示会場では、手術用手袋バイオジェルを装着しピンホール検出システムの体験や、手指衛生モニタリングシステム「Compleo-IO」、「Compleo-DO」のプレゼンテーションなど、ご来場の皆様に弊社の製品をご紹介させていただく良い機会となりました。ランチョンセミナー、展示とも大変多くの方々にご来場いただき誠にありがとうございました。
- 学会全体を通して
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第30回日本環境感染学会総会・学術集会のテーマは「感染制御のさらなる推進-教育・啓発・人材育成-」で、30回という一世代が巡った学会の次なる前進を展望すべく、感染制御の概念の普及とそれを担う人の層を厚くしたいという思いが込められています。そこで、学会の歴史や後継者育成に関する特別講演のほか、職種を問わず学会の次世代を担う45歳未満の会員を対象に、「Future Generation Lecture」が企画されました。また、1,050題を超える一般演題の他、興味深い教育講演やシンポジウム、招請口演、ランチョンセミナー、スイーツセミナー、ワークショップなど数多くの講演が用意され、2日間では吸収しきれないほどの情報が惜しみなく提供され、最終的には参加者総数7,500名を超える活気に満ちた会となりました。
- ランチョンセミナー
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清水 潤三先生(大阪労災病院 肝胆膵外科 部長)に手術部位感染対策や手術用手袋についてご講演いただきました。
日時 2015年2月21日(土)12:20〜13:10 会場 第1会場(神戸国際展示場 2号館1F コンベンションホール) 演題 手術部位感染UP TO DATE 演者 清水 潤三先生
大阪労災病院 肝胆膵外科 部長
司会 小西 敏朗先生
東京医療保健大学 副学長
講演より
医療施設の経済的損失と直結する手術部位感染(Surgical Site Infection、以下SSI)について日本におけるサーベイランスの歴史から感染対策の最新の知見までを、いくつかのポイントに分けてご紹介いただきました。
特に、禁煙や除毛といった術前SSI対策のトピックスや、手術部位の管理法によるSSI発生率の差、SSIによる経済的損失を具体的なデータで示していただき、SSI対策の重要性を実感いたしました。また、術者が必ず着用する手術用手袋に関しては、パウダーの危険性や二重装着の必要性について海外の状況も含めご教授いただきました。
SSIの発生を左右する要因は複数あるため、1つの対策だけで急速にSSIが減少する訳ではありません。サーベイランスを実施することで自施設の問題が確認でき、その結果を外科医にフィードバックすることで最終的にはSSIの要因が外科医の技術に集約されるという言葉に、サーベイランスはその結果を次に役立てるため、フィードバックを行うことが重要であると改めて認識いたしました。受講者のアンケート
集計対象:手術室勤務・手術用手袋を着用される方(n=112)
Q.ご自身が使用されている手術用手袋のパウダーの有無について、お答えください。(複数回答可)
Q.ご自身の手術用手袋の着用方法について、お答えください。
受講者の声
- SSIに関するデータを分かりやすく説明いただいた。
- 剃毛、喫煙、パウダー手袋がダメなこと、ラテックスフリー手袋の使用が推奨されているという理由が分かりとても良い内容だった。
- 二重手袋の根拠、抗菌剤投与などの効果が勉強になった。
- 皮膚のメカニズムから皮膚消毒、手指衛生まで最近の知見を聞くことができた。
- 分かりやすくデータを示していただいた。自分が教育する時のエビデンスを知ることができた。
- 推奨項目の裏付けが具体的に紹介され分かりやすかった。
- 展示
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展示ブースでは手指衛生、個人防護具(PPE)、環境整備関連の製品に加え、手術室向け感染対策製品を多数展示いたしました。手術用手袋「バイオジェル」を実際に装着してピンホール検出システムを体験いただいたり、新製品のスクラブスーツ「バリアー」を着用したスタッフが対応に当たるなど、商品を実感いただける展示ブースとなりました。
また、手指衛生モニタリングシステム「Compleo」については、間接観察法に対応した「Comple-IO」、直接観察法に対応した「Compleo-DO」をご紹介するプレゼンテーションを実施しました。その他にも、「手術用手袋-素材による特徴と二重装着の重要性-」と題した動画を専用アプリを使用して配信したり、手指衛生遵守率に関するアンケート調査を行い、その結果を即座にサイネージに表示させるなど、最新技術を駆使した展示ブースとなりました。アンケートにご参加いただいた人数は965名に上り、たくさんのご意見を伺うことができました。
- Medical SARAYA事務局より
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昨年は大雪の中での開催となりましたが、本年は寒いながらも海風が気持ちよく感じる程晴天に恵まれました。弊社のランチョンセミナーおよび展示ブースにご来場いただきました皆さまに改めてお礼申し上げます。
毎年多くの参加者の皆さまとお会いできる機会に感謝いたしております。ランチョンセミナーおよび展示ブースにて頂戴しましたご意見、ご要望は今後の弊社の事業に役立てていく所存でございます。
今後とも、一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。