「第36回 日本手術医学会総会」レポート
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2014年9月26日(金)~27日(土)、ロイトン札幌にて、第36回日本手術医学会総会が開催されました。
サラヤは「展示」への出展企業として参加いたしました。既存のサラヤ製品の他、新発売した手術用手袋「バイオジェル」をご来場の皆さまに直接ご覧いただく良い機会となりました。弊社ブースへお立ち寄り下さった皆さま、誠にありがとうございました。
- 講演を聴講して
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第36回日本手術医学会総会は「北の街で語ろう!さらなる周術期医療の質向上を目指して」をテーマとして、4会場にて様々な講演が行われました。特別講演では、大久保憲先生(東京医療保健大学/大学院)が、手術部診療の歴史を振り返りながら、手術室空調や各種の環境整備法に関する研究が進み、手術器械や器材の滅菌保証も非常に高い水準となった昨今、こうした技術を総合的に兼ね備えた手術医療のスペシャリストを養成していくためには、スタッフに対する経済面や各種保障を十分に考慮していく必要があると述べられました。また、今後、チーム医療を一層推進していくために、各部門が連携し、エビデンスに基づく多角的なアプローチを行っていくことが重要であると強調されました。
また、本総会会長の平田哲先生(旭川医科大学病院 手術部)は、会長講演の中で、旭川医科大学病院で2003年より開始された手術部再開発に触れられ、各種システム(物品搬送・管理、患者情報管理、手術画像)のIT化により、安全性の確保と効率化を行った結果、職員の意識改革がなされ、外部からも「見える手術室」を実現することができたと述べられました。また、新しい手術様式のニーズに対応するため、2010年には、多軸血管撮影装置を備えたHybrid手術室の設置(より低侵襲な手技の導入)、救命救急センターの設置(地域ドクターヘリ事業への参画)、2012年には、手術安全チェックリストの導入、2013年には、手術支援ロボットの導入など段階的に取り組んだご経験から、新しい装置や手技の導入には、手術部トップのマネージメントおよび「責任を負う姿勢」が重要であったとまとめられました。
その他、5つの教育講演、5つのシンポジウムに加え、一般演題の中では、現場に密着した発表が数多くありました。さらに今回は、追加講演として『緊急課題 単回使用医用器材の再使用』というテーマで小林寬伊先生(東京医療保健大学/大学院)がお話しされました。これは、今年6月に厚生労働省より通知された「単回使用医療機器の取扱いの周知徹底について」を受けたご発表であり、近年実施された単回使用医用器材(SUD)の再使用に関する調査結果(小林寬伊、永井勲、吉田理香、菅原えりさ. シングルユース(単回使用)器材の再滅菌使用に関する課題-第5回の調査に基づいて-. 医療機器学 Vol.84, No.4, 2014)を交えながら、課題提示と今後の方向性を示唆されました。
- 展示
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展示ブースでは、手術室の感染対策を推進する弊社製品を中心にご紹介しました。速乾性擦式手指消毒剤「ヒビスコール液A0.5%」は、クロルヘキシジングルコン酸塩0.5%とエタノール約80vol%含有により高い殺菌効果と持続活性を備え、手術時手指消毒に最適です。また、新発売の手術用手袋「バイオジェル」は、手術室で使用する物品のラテックスフリー化が進む中、そのラインナップの中でも合成ゴム製の「バイオジェル PIウルトラタッチ」、「バイオジェル PIインディケーター アンダーグローブ」に関心を示される方が数多くいらっしゃいました。バイオジェルの最大の特徴である手袋の二重装着による「ピンホール検出システム」※ の実演では、「こんなにくっきりピンホールが見えるのですね」といったお声を頂戴しました。
※バイオジェルの「ピンホール検出システム」
二重装着時、血液・体液などの液体が付着している状態で外手袋にピンホールが発生すると、ピンホール周辺にアンダーグローブの色が素早くはっきりと浮き上がり、ピンホールをお知らせします。手術中、ピンホール発生が確認しやすくなります。
- Medical SARAYA事務局より
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お忙しい中、また大雪の中、弊社のランチョンセミナーおよび展示ブースにご来場いただきました皆さまに改めてお礼申し上げます。
毎年多くの参加者の皆さまとお会いできる機会に感謝いたしております。ランチョンセミナーおよび展示にて頂戴しましたご意見、ご要望は今後の弊社の事業に役立てていく所存でございます。
今後とも、一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。