感染対策実践ガイド

標準予防策

呼吸器衛生/咳エチケット

呼吸器衛生/咳エチケットは、2003年の SARS(重症急性呼吸器症候群)アウトブレイク時の教訓を踏まえ、2007年のCDC隔離予防策ガイドラインにおいて、標準予防策の構成要素として新たに追加された対策です。
当時、呼吸器症状を示す患者や面会者、医療従事者に対して、診断確定前の段階で十分な感染対策が実施されていなかったことが、感染拡大の一因となった可能性が指摘されました。
この経験から、感染症の診断が確定する前の段階から、呼吸器症状(咳、鼻汁など)に着目し、施設に入った時点(受付、待合室など)から対策を講じることで「感染源の早期コントロール」の重要性が明確になりました。

実践のポイント

  • 対象:

    職員、患者・利用者、面会者を含めた「施設内にいるすべての人」

  • 教育と啓発(施設内でのポスター掲示など)

  • 感染源管理対策
    ✓咳・くしゃみの際は、ティッシュで口・鼻を覆う

    ✓使用後のティッシュはすぐに蓋つきごみ箱に廃棄する

    ✓呼吸器症状がある場合は、可能な場合はサージカルマスクを着用する など

  • 手指衛生の徹底

    呼吸器分泌物(鼻汁、痰など)や、それらに付着した可能性のある物品(使用済みのティッシュ、マスクなど)に触れた後は必ず手指衛生を行う

  • 適切な距離の確保

    待合室などでは、呼吸器症状がある人と他の人との間に、少なくとも1m以上の距離を確保する

参考

CDC. Guidelines for Isolation Precautions: Preventing Transmission of Infectious Agents in Healthcare Settings. 2007.