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学術情報

感染症info

インフルエンザ

インフルエンザウイルスの構造1-4)

インフルエンザウイルスはウイルス粒子内の核蛋白複合体の抗原性の違いから、A・B・Cの3型に分けられ、このうち流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。A型ウイルス粒子表面にはHA(ヘマグルチニン)とNA(ノイラミニダーゼ)という糖蛋白があり、HAには16の亜型が、NAには9の亜型があります※。この亜型が様々な組み合わせでヒト以外のその他宿主(ブタ、トリなど)にも広く分布しているため、A型インフルエンザウイルスは人獣共通感染症としてとらえられます。

※近年、コウモリから新たに2種の亜型(H17N10,H18N11)が発見されましたが、人間への感染の可能性は低いとされています。

インフルエンザウイルスに繰り返し感染する理由は、HAとNAが同一の亜型内で抗原性を毎年のように変化させ(小変異)、巧みにヒトの免疫機構から逃れるためです。さらにA型は、数年から数十年単位で突然別の亜型に取って代わることがあり(大変異)、これが「新型インフルエンザウイルス」と呼ばれるものです。人々は新たに出現したインフルエンザウイルスに対する抗体はないため、感染は世界規模で拡大し、大流行(パンデミック)となります。

インフルエンザの特徴5,6)
感染経路 飛沫感染、接触感染
国内流行時期 例年12月~3月頃 ※1月下旬から2月が流行のピーク
潜伏期間 通常1~3日間
症状 発熱(通常38℃以上)、頭痛、関節痛、筋肉痛、喉の痛み、鼻汁、咳など
感染力がある期間 発症直前から発症後7日間程度
※発症直前から発症後3日間程度が感染力が特に強い

2015年12月