Supplysm 2026 vol.18 no.2最新号
特集
医療現場における滅菌保証のガイドライン2026 改訂のポイント
- 高階 雅紀
- 一般社団法人日本医療機器学会 滅菌技師認定委員会委員長 (市立池田病院 病院長)
※本記事は、「Supplysm 2026 vol.18 no.2」(2026年8月発行)に掲載した内容です。執筆者の所属および記事内容は掲載当時のものであり、現在とは異なる場合があります。
1. はじめに
日本医科器械学会(現 一般社団法人日本医療機器学会)は2000年に第2種滅菌技士認定事業をはじめるにあたり、滅菌供給部門の洗浄・滅菌業務の指針として本邦で初めて医療現場における滅菌保証のガイドラインを策定しました(表1)。その後5年に1度の改訂をおこなってきましたが、前回の改訂が新型コロナウイルスの影響により2021年であったことから、今回、『医療現場における滅菌保証のガイドライン2026』を上梓することとなりました。
改訂の都度ガイドラインのボリュームは増加し、初版はわずか9ページであったものが2021年版は『鋼製小物の洗浄ガイドライン2004』と『洗浄評価判定ガイドライン2012』を改訂包含したため270ページを超えることとなりました。ですので、2021年版において、ガイドラインの内容としては医療現場における滅菌保証のすべてを網羅できています。
今回改訂の2026年版では、滅菌供給業務に従事される皆さんに読みやすい、わかりやすい書物となることを目指し、実際に医療現場の滅菌供給部門に携わっておられる第1種滅菌技師の方々にレビュアーとして各章の推敲を担当していただきました。また、各章に重複していた記載を統合し、旧版以上のページ数増を回避する(できれば減らす!)ことも目標にして編集をおこないました。短い期間でしたが492件のパブリックコメントを頂戴し、そのうち262件を採用いたしました。採用率は53.3%になります。原案を読み込んでいただき、コメントを投稿していただいた皆様に御礼申し上げます。
2. ガイドラインの目的と適用範囲
医療現場における滅菌保証のガイドラインの目的は、医療施設でおこなわれる医療機器の再生業務(滅菌供給)の品質を維持し、患者の安全を確保することです。品質を維持するとは、具体的には「再生処理された医療機器の無菌性を保証すること」、つまり、再生処理された医療機器における微生物の存在確率が10-6以下であることを保証することです。ガイドラインには、そのために滅菌供給部門で考慮すべきことを網羅して記述しています。
ガイドラインの適用範囲は、「医療現場における」という名称からもわかるように、「医療施設の滅菌供給部門でおこなわれる医療機器の再生業務」または「医療施設から業務委託を受けておこなわれる医療機器の再生業務」です。「医療施設から業務委託を受けておこなわれる医療機器の再生業務」については、令和7年2月の厚生労働省通知の改正により、今後は医療施設外の洗浄滅菌業務受託施設がより広く活用されることが予想されます1)。ガイドラインは「医療現場における」との名称ではありますが、医療施設外の洗浄滅菌業務受託施設などにおいてもガイドラインを参考に滅菌保証が確立されることを期待しています。
ガイドラインの対象となる職種としては、主として「滅菌供給部門で作業工程を管理する職種」を意図しています。滅菌保証を実現するために滅菌供給部門での作業工程を構築し、その遂行を日々管理する職種を読者と想定しておりますので、第2種滅菌技士資格を未取得の方、または取得して間もない方には少々ハードルが高い内容となっているかと思います。そのような読者の皆さんは、まず、第2種滅菌技士資格取得講習会のテキストである「医療現場の滅菌」(へるす出版)を併用しながら読み進められることをお勧めします。一方、第1種滅菌技師資格を有する方、または資格取得を目指している方には、ぜひともガイドラインの内容をしっかりと把握していただき、自施設での業務改善に利用していただきたく存じます。
3. ガイドラインの理解のために~臨床診断/治療ガイドラインとの違い~
臨床医学の診断や治療においては、たとえガイドラインを完全に遵守したとしても、必ずしも正しい診断や良好な治療結果が得られない場合があります。これは「医療の不確実性」であり、診断や治療の手順がまったく同じであっても、そこから得られる結果にはばらつきが生じるからです。一方、滅菌保証のガイドラインは無菌性保証水準(SAL:sterility assurance level)≦10-6を確実に達成するに至る一連の工程管理を記述したものですので、原則としてすべてを遵守することにより無菌性が保証されます。後述しますが、これは製造業における品質マネジメントシステム*1(QMS:quality management system)的考え方の上に成り立ちます。
また、臨床診断/治療用のガイドラインの個々の項目は各種の基礎的または臨床的研究結果から得られた有効性を基に、その遵守勧告レベルが決定されています。診断/治療効果への貢献度が低い項目の勧告レベルは低く、効果の高い項目の勧告レベルは高く設定されます。一方、滅菌保証のガイドラインに記述されている個々の項目の無菌性到達への有効性を比較検討するということは原則的におこなわれません。
*1:品質マネジメントシステム(QMS):手順やルールを定めて、製品やサービスを恒常的に供給する仕組み滅菌供給部門のQMSについては、最新の書物として『医療現場の滅菌に関するQMSの基本理解』(髙橋治執筆、へるす出版)を参考にされるとよい。
4. 製造業/製造販売業(メーカー)と滅菌供給部門の目指すところ
製造業および製造販売業(以後メーカー)において滅菌済み医療機器の無菌性(SAL≦10-6)はQMSによって厳密に手順やルールが定められ、その工程を遵守することによって保証されています。医療を受ける患者はもちろん、医療スタッフもその品質を疑うことはありません。では、院内で再生される医療機器の滅菌の品質についてはどうでしょうか。医療を受ける患者は、メーカーが供給する滅菌済み医療機器の無菌性と、医療施設内の滅菌供給部門で処理された医療機器の滅菌の品質は同じであると信じて疑っていないはずです。もちろん、医療スタッフも同じように両者の品質に差がないと信じているはずです。であれば、医療施設の滅菌供給部門においても、滅菌保証の手順やルールはメーカーのそれと基本的には同じでなければなりません。目指すところが同じであるならば、その手順やルールは同じであるはずです。しかし、医療施設における滅菌保証とメーカーでおこなわれる滅菌保証とではある一点で根本的な大きな違いがあります。
メーカーにおいては、各バッチで滅菌される医療機器はその種類、数量、積載方法まで定められてバリデーション*2がおこなわれます。それに対して医療施設における滅菌では、毎回積載される種類や数量が必ず異なります。積載方法についてはある程度のルールがあるものの、バッチごとの積載方法が統一されることはありません。そのため、医療施設の滅菌供給部門でのバリデーションは、その施設でおこなわれる最悪状態をシミュレーションしておこなう必要があります。そこで、2021年版のガイドライン改訂からは、製品ファミリーとマスター製品という考え方を導入しています。洗浄や滅菌の困難性から医療機器をいくつかのファミリーに分類し、その中で自施設において最も洗浄や滅菌が困難なものをマスター製品と定義付けます。医療施設におけるバリデーションの稼働性能適格性確認(PQ : performance qualification)では、マスター製品を洗浄器や滅菌チャンバー内の最も条件が悪いところ(コールドスポット)に配置し、最も洗浄や滅菌が困難な積載物を模した状態で、余裕をもって洗浄や滅菌ができることを証明することとしています。
*2:バリデーション:ある手順によって、期待された結果が与えられることを検証する作業のこと
5. 遵守勧告レベルの廃止について
既に2021年版のガイドライン改訂では、従来からの遵守勧告レベル(A/B/C)を廃止しています。先にも述べましたように、医療を受ける患者や医療スタッフはメーカーが製造した滅菌医療機器と院内で処理された医療機器の無菌性は同等であると信じています。であれば、医療現場でも原則としてはメーカーと同等のQMSに基づいた滅菌保証の手順がおこなわれるべきであり、ガイドラインに記載されている項目に品質保証の観点からは優劣はつけられません。それぞれの施設において可能な限り多くの手順が遵守されることが、より高度な滅菌保証を意味するからです。
2021年版よりも前のガイドラインでの勧告レベルは、遵守しなくても無菌性への影響度が低いから勧告レベルを低くしている、または、遵守すると無菌性がより高くなるから勧告レベルを高くしているというような科学的根拠からではなく、現在の医療施設のおかれている社会的、経済的背景から「実行可能性」に依存して勧告レベル付けをおこなってきたわけです。つまり、人的にも経済的にも恵まれている医療施設では多くの項目を遵守できる反面、恵まれていない施設では要求しても実行は難しいだろうからガイドラインとしては勧告レベルを下げざるを得ないという議論がおこなわれていたわけです。これでは、施設のおかれている環境によって滅菌保証の程度が影響されるということとなり、無菌性は共通であるという本来の考え方とはそぐわなくなります。
上記のような議論の結果、2021年版のガイドラインでは従来からの勧告レベル(A/B/C)を廃止し、その遵守確認については、日本医療機器学会の滅菌管理業務検討委員会が作成した『医療現場における滅菌保証のための施設評価ツール』に委ねることとしました2)。高得点を取得できた滅菌供給部門は優秀であり、残念な得点であれば自施設の業務改善が必要であることが定量的に数値で評価できます。既に皆さんは、この評価ツールを用いてガイドライン遵守の実態を総合的に自己評価、または第三者による外部評価をおこなうことにより、日々の業務を継続的に改善されていると存じます。また、この評価ツールでは評価項目によって必須項目が設定されたり、秀でた業務には加点されたりするように設計されているため、重点的に強調したい遵守項目が達成されている場合は高評価となり、間接的に勧告として特定の項目の遵守を促すこととなっています。この仕組みを用いることにより、勧告レベルが経年的に固定化することを防ぎ、かつ、施設の規模や社会的背景の影響を排除して客観的な業務評価がおこなえるようになりました。また、ガイドライン作成と評価ツール作成の母体を別組織にすることにより、双方向に内容を監視するシステムが構築されています。
6. 2026年版の章立て
表2に『医療現場における滅菌保証のガイドライン2026』の章立てを示します。より合理的な構成となるように章立てを変更していますが、基本的な内容に大きな変更はありません。
2021年版では参考としていた「施設基準」を大見出し「総合的管理」の中で独立した章としています。また、大見出し「洗浄の管理」および、大見出し「滅菌の管理」の最初の章として、それぞれ「洗浄総論」と「滅菌総論」を設けました。さらに「洗浄の管理」の中の独立した章であった「洗浄評価」については、すすぎ性能の評価を加えた上で「洗浄総論」の附属書として扱っています。
「滅菌の管理」では、従来独立した章であった「過酸化水素ガスプラズマ滅菌における滅菌バリデーションと日常管理」と「過酸化水素ガス滅菌における滅菌バリデーションと日常管理」を「過酸化水素を用いた滅菌」としてひとつの章にまとめ、また、「滅菌物の保管・供給・リコール」の章を従来の大見出し「関連重要事項」から移動しています。
従来の「滅菌に準じる化学処理」は「高水準消毒」に名称を変更し、「化学的インジケータ」、「生物学的インジケータ」、「滅菌包装」、「滅菌業務の外部委託」と一緒に大見出し「関連重要事項」にまとめています。
その結果、巻末の「参考」は「CSSDにおけるパラメトリックリリース」のみとなりました。
以下に、これらの改訂のポイントのいくつかを抜粋してご紹介します。
7. 今回の改訂ポイント
「滅菌供給業務の総合的管理」では、従来の品質マネジメントシステムの概念を継承しつつ、「継続的監視(Continuous Monitoring)」の概念を導入して品質向上へ向けた実践の積み重ねの重要性を明確にしています。一度確認して終わりではなく、検証された条件が日常の各工程で確実に再現されているかを、データに基づき常に見守り続ける仕組みが強調されています。さらに、実務上の重要事項としてマスター製品の選定根拠や、計器類のキャリブレーションの徹底、そしてこれらすべての活動を支える人の意識と組織文化の重要性が明文化されています。
2021年版では参考としていた「施設基準」では、機器の保有台数の算出方法、災害対策、環境保護、国立大学病院材料部長会議の協力による施設調査結果など、具体的な記載を追加して章に格上げしています。さらに2025年5月に稼働した最新の滅菌供給部門の図面を掲載し、諸室面積および設備などを具体的に例示しています。
洗浄と滅菌それぞれに総論の章を配置し、各手法に共通するバリデーションの手順を体系的に整理しました。「洗浄総論」では洗浄のバリデーションに必要な手順と関連情報を本章に集約したことに伴い、2021年版で8章に記載されていた「洗浄評価」はすすぎ性能の評価を加えて附属書として再編し、各項目に記載される情報との紐づけを容易にしました。残留蛋白量の評価基準は、再使用可能医療機器(RMD : reusable medical device)の大きさにかかわらず同一で良いのかという指摘を反映し、国際的な動向*3も参考にして評価指標として単位面積(1cm2)当たりの基準値「<6.4㎍/cm2」を採用しました。ただし、RMDの表面積が不明な場合は従来の「<200㎍/RMD」を使っていただくことに問題はありません。また、RMDの形状による評価指標の詳細については、ドイツのガイドラインを附属書として掲載しておりますので、それを参考にしてください(表3)3)。
さらに、初回PQ実施後の継続的なモニタリング方法を示す附属書を新たに追加し、第1章に示される継続的監視の概念を補完しています。加えて、従来多くの施設で課題とされてきたマスター製品の選定について、過去のデータに基づく合理的かつ実践的な方法を提示しています。
*3:ISO 15883-5:2021およびAAMI ST98「用手洗浄」では、品質の高いRMDを継続的に提供するためには、誰でも同一品質で実施可能な標準作業手順書の整備が不可欠であるとの考え方に基づき、作業手順案の作成を据付時適格性確認(IQ : installation qualification)、運用と作業者の理解確認を運転時適格性確認(OQ : operational qualification)、洗浄後の清浄性・機能性の維持確認をPQとして新たに位置付けました。作業手順案はPQによって妥当性が確認されることにより標準作業手順書となるという考え方です。
「ウォッシャーディスインフェクター」ではウォッシャーディスインフェクターに特化した適用事項として、他の洗浄方法と異なるポイントを抽出して記載しています。このため、2021年版において本章の附属書として記載されていた「マスター製品の選定方法」、「残留蛋白質、すすぎ性、消毒基準、製品適格性の確認手順」については、他の洗浄方法にも適用可能な共通事項として整理し、「洗浄総論」の附属書に再編しています。また、最新版のISO規格*4に合わせ、A0値を用いる場合の最低温度に関する記載を見直すとともに、温度測定時の合否判定基準についても改訂しています。
*4: ISO 15883-1:2024では消毒効果が認められる。最低温度が65℃から70℃に改訂されている。洗浄総論に「超音波洗浄器」の共通事項を集約し、超音波洗浄器に特化した確認事項を整理しています。また、従来記載されていた附属書を復活させ、かつ、最新の情報に更新しています。
「減圧沸騰式洗浄器」では重要な改訂はありません。ウォッシャーディスインフェクターと同様に実施項目「消毒効果」を削除していますが、消毒が必要な場合は2021年版どおりにPQを実施することになります。
「内視鏡洗浄消毒装置」では、海外の動向を鑑みてアルコールフラッシュによるリスクの明示と内視鏡管腔の乾燥の重要性を記載しました。また、内視鏡の洗浄評価をおこなう方法に関して、残留蛋白質抽出方法と測定方法の見直しをしています。
新たに設けた「滅菌総論」では、これまで滅菌法ごとに分かれて記載されていた共通の考え方や手順をまとめ、滅菌全体の流れが理解しやすくなるよう整理しています。総論で基本的な考え方を押さえたうえで、滅菌剤ごとの違いや注意点を各論で確認できる構成としました。
「蒸気滅菌」では重要な改訂はありませんが、2021年版以降の国際規格改訂*5を踏まえ、医療従事者と協力して現場での使いやすさを重視した見直しをおこなっています。
*5: ISO 17665:2024, Sterilization of healthcare products - Moist heat - Requirements for the development, validation and routine control of a sterilization process for medical devices.2021年版では「過酸化水素ガスプラズマ滅菌」と「過酸化水素ガス滅菌」は独立した章でしたが、「過酸化水素を用いた滅菌法」にまとめ、プラズマと過酸化水素ガスの類似の記載を統合し重複した記載をなくしています。滅菌法間で異なる点は従来通り分けて記載してあります。過酸化水素ガス滅菌ではPQの流れがわかるフローチャートを追加しています。
「低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌」では、他の滅菌法と共通する内容を滅菌総論へ集約し、より低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌法に特化した内容に改訂しています。また、SALの達成における検証が必要なBIの数量については、明確に判断できる内容へ修正しています。
「エチレンオキサイド滅菌」では、滅菌総論と共通する内容の削除を除いて、重要な改訂はありません。
「 滅菌物の保管・供給・リコール」では、滅菌物の保管については包装材の完全性、安定性を損なわないことを要点とし、前回の内容をわかりやすく項目化しています。供給では施設ごとのリリース基準を明確にすることを重要としており、前回ガイドラインからの大きな変更はありません。リコールでは滅菌供給部門における重大インシデントであるとの考え方と運用を詳細に示しています。
「化学的インジケータ」では、表現の簡素化と明確化をおこなっています。たとえば、15.4項(包装内部用CI)について、2点の勧告を1つに統合しています。
「生物学的インジケータ」では、リコールを防止するために、滅菌方法にかかわらず原則として毎回BI判定を確認した後に払い出しをおこなうことを推奨としています。
「滅菌に準じる化学処理」の章は、高水準消毒の一部のみをカバーしていたためこれを廃止し、「高水準消毒」として全面的に改訂しています。スポルディングの分類を示すとともに、高水準消毒製剤の注意点、RMDとの適合性、SOP遵守、廃棄、作業者の安全確保など、セミクリティカル器材の再処理法を包括的にまとめました。
「滅菌包装」では、2021年版でヒートシーラーのバリデーションに限定していたものを、パウチ/ロール、ラップ材、滅菌コンテナを含む包括的なバリデーションに改訂しています。また、附属書Eとして新しく制定された無菌バリアシステムのシンボルを紹介しています。
「滅菌業務の外部委託」では、令和7年2月の厚生労働省健康政策局長通知および同課長通知の改訂を受けて汚染RMDの院内消毒の必要範囲について言及しています。
8. ガイドラインを通じて皆さんに期待するところ
一般社団法人日本医療機器学会では、滅菌供給部門の業務の見える化(評価)を目標としています。そのうえで、滅菌供給業務の品質保証の活動を継続的におこなっていただくことを期待します。最新のガイドラインの遵守を目標とし、その業務内容について施設評価ツールを用いて自己評価、および外部評価を定期的に繰り返すことにより、業務改善を継続していただくことを期待しています。
既に本学会では医療施設の滅菌供給部門の質向上を目的として、施設の訪問審査および助言活動をおこなう支援事業として滅菌供給部門評価事業を開始しています。国内の病院を対象に、滅菌供給部門の運営や品質保証について中立的、科学的・専門的な見地から評価をおこない、優れた業務をおこなわれている施設に対しては優良施設認定をおこないます。ぜひ本事業を活用いただければと存じます。
滅菌技士/師認定事業が始まって以来、長年にわたり滅菌供給部門および滅菌技士/師の地位向上が課題でした。「組織や職種は外部から評価されることによってこそ、その地位が向上する。」、「自己評価や外部評価のない組織や職種に地位向上は望めない。」という考えのもと、今回改訂をおこなった『医療現場における滅菌保証のガイドライン2026』と『医療現場における滅菌保証のための施設評価ツール』が皆さんの職場での継続的な業務品質の改善に役立ち、ひいては皆さんとその職場の地位向上につながるものと信じています。ぜひ、この新しいガイドラインの求めるところをご理解いただき、滅菌供給業務に従事される皆さんの知識、技術、モチベーション、さらには業務環境の向上に役立てていただくことを心より願っております。
文献
1)「病院、診療所等の業務委託について」の一部改正について厚生労働省医政局地域医療計画課長 医政地発0207 第1号令和7年2月7日
2) 医療現場における滅菌保証のための施設評価ツール Ver. 1.01 一般社団法人日本医療機器学会 2022年5月
3) Guideline compiled by DGKH, DGSV and AKI for the validation and routine monitoring of automated cleaning and thermal disinfection processes for medical devices 5th Edition 2017
DGKH(Deutsche Gesellschaft für Krankenhaushygiene)
DGSV(Deutsche Gesellschaft für Sterilgutversorgung)
AKI(Arbeitskreis Instrumentenaufbereitung)




