健康すまいる

健康すまいる HosCom×健康すまいる(2025)

特別レポート

感染対策ラウンドを深堀り!

※本記事は、「HosCom×健康すまいる」(2025年8月発行)に掲載した内容です。記事内容は掲載当時のものであり、現在とは異なる場合があります。

取材日:2025年3月11日

高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅱ)では、3年に1回以上感染制御等に係る実地指導を受ける必要があります。
今回の取材では、真誠会の弓浜ホスピタウンにある「介護老人保健施設 弓浜ゆうとぴあ」と「介護老人福祉施設 ピースポート」にて、博愛病院の田原さんによる感染対策ラウンドが実施されました。現場では、日常業務における基本的な衛生管理と感染対策のポイントを中心に確認が行われました。

弓浜ホスピタウン

今回のラウンドについて

弓浜ゆうとぴあ

「弓浜ゆうとぴあ」では物品の消毒方法やトイレ周りでのブラシの扱い、給湯室での物品管理などについて田原さんよりアドバイスがありました。

弓浜ゆうとぴあ職員

当施設では、シンク周りで物品を消毒する際、「30分以上消毒液に浸漬する」というルールで運用しています。しかし、ラウンド時は消毒時間を計っていなかったため、タイマーの設置を田原さんから勧められました。タイマーを使用することで確実に30分間消毒液に浸漬することができ、終了後はすぐに次の物品の消毒を開始できるため、作業効率向上にもつながり大変参考になりました。また、消毒物品は完全に消毒液に浸かるようにし、内腔があるものは内部に気泡が残らないように消毒することも気を付けたいと思います。
トイレ周りでは、便器の掃除用ブラシをバケツに入れて保管していました。しかし、バケツに入れたままだと水気が取れず不衛生になることから、ブラシの下の部分がバケツにつかないように浮かせて、乾燥しやすい状態で管理するようアドバイスいただきました。給湯室では濡れたままのやかんをタオルの上に置いて乾燥させていましたが、それだとタオルが湿って不衛生になりやすいと田原さんより指摘いただきました。今後は、洗浄した物品は拭くか乾燥させてからタオルの上へ置くよう周知したいと思います。

ピースポート

「ピースポート」では、おむつカート使用時の注意点や清掃用具の交換頻度などの取扱いについてアドバイスがありました。

田原さん

ラウンドの際にはただ指摘するだけではなく、指摘事項と併せて、改善策の参考として当院での対応方法もお伝えしています。例えば今回は、洗濯・汚物処理室での清掃用ブラシの管理方法として、交換頻度の目安が分かるよう、清掃用ブラシの柄の部分に使用開始日を記入していることをお伝えしました。もちろん、全く同じように実施するのは難しいこともあるので、各施設で実施可能な方法を選択していただければと思っています。「弓浜ゆうとぴあ」や「ピースポート」を含む真誠会の施設は、指導した内容をすぐに実施し、また、ラウンドにも積極的に協力してくださるのでアドバイスがしやすいです。

ピースポート職員

今回のラウンドで特に印象に残っていることは、おむつカートについてのアドバイスです。おむつカート内は清潔と不潔が混在しやすいため、例えば上段を清潔区域、下段を汚染区域とあらかじめ物品位置を明確に区別して汚染を拡げない工夫をすることや、カートだけでなく介助者自身の汚染に気を付けること、手指消毒剤を使いやすい場所に置くことなどをご指導いただきました。おむつパッドは段ボールに収納していましたが、ダンボールは害虫の温床になりやすく、使い回して汚れた場合に清掃が難しいため、プラスチック製の容器に変更したほうが良いとアドバイスをいただきました。これまでそのような視点がなかったため、勉強になりました。また、実際に職員がおむつ交換を行っている様子を観ていただき、おむつ交換時のPPE交換のタイミングについても教えていただきました。 
居室では、除菌クロスの交換日の目安を決めておき、日付の記載を見えにくい箇所ではなく、一目で分かる箇所に表記し、さらに施設内で記載箇所を統一することで、誰が見てもすぐに分かるようにすると良いというアドバイスもいただきました。こうした現場の工夫や配慮が、感染対策の徹底につながっていることを実感しました。

最後に

両施設の職員

福祉施設では、病院と比べて最新の情報が入手しにくいことがあります。田原さんのような専門的な視点でチェックや指導をしていただける機会があることで、間違っている点があっても修正でき、不安なこともすぐに質問ができるため、自信を持って感染対策に取り組むことができます。また、田原さんのアドバイスをきっかけに、必要な感染対策用品を増やしたこともあり、今では施設内で感染対策用品購入の提案がしやすくなりました。
いただいたアドバイスは、今後の感染症発生時も活かしていきたいと思います。たくさんのアドバイスをいただき感謝しています。

編集部より

今回の取材では、加算連携を通して現場をより良くしようとする努力を身にしみて感じました。今後も、現場と皆様との懸け橋となり、真摯に向き合う姿をお届けできるよう編集部一同努めてまいります。

hoscom-sp202508-report.pdf