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HosCom 2024 vol.21 no.1

World Information

Hand Hygiene Across the Globe:The Impactful Journey of the Train-the-Trainer Program

Hiroki Saito
Department of Emergency and Critical Care Medicine, St. Marianna University Yokohama Seibu Hospital, Kanagawa, Japan/Institute of Global Health, Faculty of Medicine, University of Geneva, Geneva, Switzerland
Ermira Tartari
Faculty of Health Sciences, University of Malta, Msida, Malta
Carolina Fankhauser
Faculty of Medicine, University of Geneva, Geneva, Switzerland
Hilda Márquez Villarreal
Centro Universitario de Ciencias de la Salud, University of Guadalajara, Jalisco, Mexico
Didier Pittet
Faculty of Medicine, University of Geneva, Geneva, Switzerland

※本記事は、「HosCom 2024 vol.21 no.1(2024年3月発行)に掲載した内容です。執筆者の所属および記事内容は掲載当時のものであり、現在とは異なる場合があります。

和訳要約

世界に広がる手指衛生:影響をもたらすTTT(手指衛生指導者育成プログラム)の足跡

2009年、世界保健機関(WHO)は手指衛生についてのガイドラインを発表し、この分野における行動変容を確立するための包括的アプローチ、WHO手指衛生多角的戦略(MMIS)を推奨している。MMISの1つである「研修及び教育」を実践するため、医療施設のIPC専門家を集めて研修を行い、参加した専門家がそこで得た知識を自施設に広めるTrain the Trainer(TTT)コースを2016年に開始した。研修修了者を次の講師に育てるTTTは、その後の追跡評価においても各医療施設で手指衛生遵守率、知識の向上が見られたなど有効性が確認されている。
日本初のTTTは2020年1月にジュネーブ大学病院のチーム等によって実施された。研修参加者の満足度は高かったが、シミュレーションビデオの舞台となったスイスの医療現場が日本と異なったため、自施設での導入を困難に感じてしまう参加者がいるなど課題もあった。そこで、このTTT参加者が講師を勤めた2021年、2022年のTTTでは、シミュレーションビデオを日本の医療現場で製作するなど、参加者の理解をより深められるよう改善された。
最近では2023年12月にアフリカの低経済国であるウガンダで初となるTTTを実施。参加者と講師陣で、資源に限りのある環境で手指衛生遵守率を改善するためのアプローチについて活発な議論が行われた。またMMIS実践のためには擦式アルコール消毒剤への容易なアクセスが必須であるが、ウガンダ中部ではサトウキビの副産物からアルコール消毒剤の現地製造が行われ、病院で使用されている。これはウガンダのカキラ製糖工場とサラヤウガンダの10年以上の取り組みから実現に至った。
TTTは今や研修を受けた世界各地のチームによって、MMISの基本理念を維持しつつ各地で受け入れられやすいように工夫をこらしながら、継続的に実施されている。TTTの形式は手指衛生だけでなく環境衛生など他のIPC分野でも応用が可能である。これからも世界的な拡大を続け、患者安全への貢献に期待したい。

hoscom21-1-wi.pdf