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再生処理(初級)

解説

答え:

手術や病棟、外来の処置などで使用した剪刀や鉗子などの医療器材は、高圧蒸気滅菌などの滅菌工程を経て再使用されます。使用後の医療器材に残留した異物が人体に影響を与えないように、また、確実な滅菌を保証するために、滅菌の前に洗浄を行い医療器材から付着物を可能な限り分解・除去することが重要です。

  1. 洗浄評価判定ガイドライン 2012年8月. 一般社団法人日本医療機器学会.

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解説

答え:×

病棟・外来などにおける使用済み器材の一時洗浄/消毒は廃止して中央化すべきというのが世界的な流れになっています。
医療器材の一次洗浄/消毒を廃止すべき理由には、以下のような点が挙げられます。

  1. 現場における一次洗浄/消毒は汚染の拡散や職業感染につながる危険性が高い。
  2. グルタラール等の消毒薬に浸漬すると、医療器材に付着した有機物を固着して洗浄除去されにくくなる。
  3. 中央材料室における専門的職員による洗浄は、汚染拡散と職業感染との危険性を低減する。
  4. 中央材料室における専門的職員による洗浄は、医療器材の良好な品質管理がおこなえる。
  5. 全自動型ウォッシャーディスインフェクターを使用することにより、さらに、汚染防止および品質管理の効果を高め、マンパワーの有効活用につなげることができる。
  6. 業務整理と効率化による経済効果をもたらす。
  1. 鋼製小物の洗浄ガイドライン 2004. 一般社団法人日本医療機器学会.

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解説

答え:×

使用済み医療器材には血液や体液といった湿性生体物質が付着しています。使用済み医療器材の洗浄・消毒時には、湿性生体物質から目の粘膜を守るために目の防護具であるゴーグルなど(フェイスシールド、シールド付きマスク)が必要です。また、口や鼻の粘膜を守るためにマスクが必要です。その他手袋、ガウン、キャップ、必要に応じて長靴やシューズカバーを着用します2)。また、キャップは髪の毛の混入防止のために、頭部の髪の毛全体を覆う必要があります3)。吸入毒性のある消毒薬を使用する場合は、吸入曝露防止のために専用の防御機能を備えているマスクを着用します。

  1. 医療現場における滅菌保証のガイドライン2021. 一般社団法人日本医療機器学会.
  2. 伏見了, 島崎豊, 吉田葉子. これで解決!洗浄・消毒・滅菌の基本と具体策. 東京: ヴァンメディカル 2008.
  3. セントラルサービステクニカルマニュアル. 第8版. 特定非営利活動法人日本感染管理支援協会.2020.

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解説

答え:×

乾燥防止には、酵素洗浄剤等へ浸漬することが最も確実と考えられています。水道水への浸漬は、分解・溶解・再付着防止などの効果が十分得られないことや、防錆性がないため長時間浸漬すると錆が発生する可能性がありお勧めできません。予備洗浄用スプレーは、希釈や温度管理の必要性がなく原液のまま使用でき簡便で、ボックスロックなど用手洗浄での除去が難しい部分へも浸透可能で乾燥防止に効果的です。また、酵素系洗浄剤(パワークイック酵素系浸漬洗浄剤 中性・低起泡性など)および予備洗浄用スプレー(パワークイック予備洗浄スプレー)には、防錆成分が処方されており防錆効果も期待できます。

  1. 鋼製小物の洗浄ガイドライン 2004. 一般社団法人日本医療機器学会.

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解説

答え:×

酵素系洗浄剤に含まれる酵素は、80℃~90℃になると失活してしまい、酵素による洗浄効果は期待できません。そのため酵素系浸漬洗浄剤は、メーカーの推奨する至適温度(40℃~60℃程度)で洗浄する中温洗浄工程で洗浄します。
高温洗浄工程には、アルカリ性洗浄剤が用いられます。アルカリ環境下では、高温域でより加水分解作用が促進されることで洗浄とともに熱水消毒が加わります。
また、プリオン病感染予防の観点では、アルカリ性洗浄剤を使用できる耐熱性器材についてはWDを用いて高温アルカリ洗浄(90~ 93℃)を行い、真空脱気プレバキューム式高圧蒸気滅菌 134℃、8~10分を行うことが推奨されています。

  1. 医療現場における滅菌保証のガイドライン2021. 一般社団法人日本医療機器学会.
  2. プリオン病感染予防ガイドライン(2020 年版). プリオン病のサーベイランスと感染予防に関する調査研究班・日本神経学会.

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解説

答え:×

使用済み医療器材を用いて行う洗浄評価には、目視判定法、色素染色法、ふき取り法、抽出法などの方法があります。これらの洗浄評価法は日常的に実施することとされており、そのうち抽出法は、下記のタイミングで実施することとされています。

【タイミング】
・PQ(稼働性能適格性確認)を行うとき
・適格性の再確認を行う時(年1回以上)
・洗浄条件の変更、新規洗浄物の導入、修理を含む復旧や改造など、プロセスの有効性に影響を与える変更が生じた時

また、市販されている洗浄インジケータには国内外の規格および推奨されているものはありません。WDにおける洗浄剤の量やスプレーアームなどの作動状態を確認するために、メーカ独自のコンセプトで設計開発されていることを理解した上で、施設ごとにタイミングを決めて使用することとされています。

  1. 医療現場における滅菌保証のガイドライン2021. 一般社団法人日本医療機器学会.

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解説

答え:

洗浄・消毒の均一化、人体への消毒薬曝露防止、作業量の軽減などの観点から、内視鏡の洗浄・消毒には、内視鏡自動洗浄消毒器(AER)を用いるべきであるとされています。

≪自動洗浄消毒機を用いる主な利点≫
・洗浄・消毒ステップの自動化・標準化
・不可欠なステップが省略される可能性が減る
・内視鏡の消毒およびすすぎが確実に安定的に行われる
・すべてのチャンネルに適切に注水される
・洗浄剤・すすぎ液の単回使用、消毒薬の適切な使用により他の内視鏡への交差感染を回避できる
・消毒薬の眼・皮膚・気道への曝露が減少する

  1. 岩切 龍一 他, 消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン 2018. 日本消化器内視鏡学会雑誌. 2018;60(7):1370-1396. 

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解説

答え:×

消毒薬の抗微生物スペクトルは、表の通りです。
過酢酸、グルタラール、フタラール等の高水準消毒薬は、多量の芽胞を除くすべての微生物を殺滅または除去するため、ウイルスに対する不活化効果も期待できます。

表 消毒および滅菌の水準分類とおもな微生物に対する効果
水準分類 定義 処理 一般細菌 真菌※1 結核菌 ウイルス 芽胞
脂質を含む中型 脂質を含まない小型
滅菌 多量の芽胞を含むすべての微生物を殺滅させる 高圧蒸気滅菌
酸化エチレンガス滅菌
過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌
過酸化水素ガス低温滅菌
低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌
化学的滅菌(過酢酸、グルタラール)
高水準消毒 多量の芽胞を除くすべての微生物を殺滅または除去させる 過酢酸
グルタラール
フタラール
熱水消毒(80℃10分以上)
△※2
中水準消毒 芽胞を除いて、結核菌その他の細菌、ほとんどのウイルスや真菌を殺滅させる 次亜塩素酸ナトリウム
アルコール
ポビドンヨード
×※3
低水準消毒 ほとんどの細菌や真菌、一部のウイルスを死滅させるが、結核菌や芽胞は死滅させない 第四級アンモニウム塩
クロルヘキシジングルコン酸塩
両性界面活性剤
× × ×

○:有効 △:一部有効または効果が劣る バツ:無効

※1 糸状菌を除く
※2 長時間接触したときのみ有効(WDの場合は物理的除去が期待できる)
※3 殺芽胞効果を示すものがある

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解説

答え:×

滅菌とは、すべての微生物を殺滅または除去する処理方法をいいます。滅菌の概念は確率的なものであり、最終的にゼロ(無菌)にはなり得ません。あらかじめ設定された無菌を保証するレベル:無菌性保証水準(SAL)に達して初めて滅菌が完了します。
現在、医療現場で求められる無菌性保証水準(SAL)は、100万分の1以下(SAL≦10-6)にすることが望まれています。これは、滅菌完了後の器材の1,000,000個に1個が汚染しているという水準であり、ほぼゼロに等しいことを示しています。

  1. 大久保憲, 他 編集. 2020年版消毒と滅菌のガイドライン. 東京: へるす出版 2020.
  2. 高階 雅紀 編集. 医療現場の滅菌 改訂第5版. へるす出版 2020.

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解説

答え:

化学的インジケータ(CI)は国際規格ISO11140-1(CIの一般的要求事項)で、特徴や使用用途によって下表のように分類されています。

表 ISO11140-1による化学的インジケータ(CI)の分類と用途・特徴
分類 名称 用途・特徴
タイプ1 プロセス・インジケータ
  • 滅菌工程を通過したか否かを確認するためのインジケータ
  • 滅菌物外部に使用するインジケータテープ、滅菌バッグに印刷してあるインク等
タイプ2 特定の試験のためのインジケータ
  • 真空式高圧蒸気滅菌器の保守管理(空気排除および蒸気の浸透が確実に行われたことを確認)のためのインジケータ(ボウィー・ディックテスト)
タイプ3 シングルバリアブル・インジケータ
  • 1つの滅菌条件にのみ反応するように設計されたインジケータ
タイプ4 マルチバリアブル・インジケータ
  • 2つ以上の滅菌条件に反応するように設計されたインジケータ
  • タイプ1あるいはタイプ3よりも多くの情報が得られる
タイプ5 インテグレーティング・インジケータ
  • すべての重要プロセス変数に反応するように設計されたインジケータ
タイプ6 エミュレーティング・インジケータ
  • 規格幅がタイプ4やタイプ5より狭く、さらに精度の高いインジケータ
  • 規定された滅菌サイクルのすべての滅菌工程の重要プロセス変数に反応するように設計されたインジケータ
  1. 医療現場における滅菌保証のガイドライン2021. 一般社団法人日本医療機器学会.

関連製品)
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