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製品情報

製品導入事例

透析装置専用洗浄剤による透析液の清浄化で質の高い透析治療を提供!

医療法人萌友会 板倉クリニック
住所 〒359-1106
埼玉県所沢市東狭山ヶ丘1-27-20
床数 33床
全職員数 9名(常勤5名+非常勤4名)(2024年6月現在)
来院数 30~40名/日
診療時間 月・水・金曜日8:30~17:30
火・木・土曜日8:30~16:30
■多人数用透析液供給装置:東レ製(TC-HI)
■多人数用監視装置:東レ製(TR-3300M)(TR-10EX)など34台
導入製品
  • 透析装置専用 過酢酸系洗浄除菌剤

    サラティブPA

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    • 高希釈倍率、短時間で透析装置や配管内に発生するバイオフィルムを抑制、除去
    • 有機酸系洗浄剤と同等の性能を有し、炭酸カルシウムによる配管のつまりを抑制
    • 透析装置や配管に使用されている部品に対する腐食性が低い
    • 非劇物で使用時や保管時の安全性に配慮
  • 透析装置専用 次亜塩素酸ナトリウム系洗浄除菌剤

    サラティブSH

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    • 透析装置や配管に堆積した微生物汚染や有機物汚染を効果的に除去
    • バイオフィルムの原因となる細菌や酵母を短時間で除菌
    • 食品添加物グレードの次亜塩素酸ナトリウムを使用

はじめに

板倉クリニックは「安全で快適な透析治療の提供」をモットーに、透析患者のQuality of Life(クオリティ・オブ・ライフ:QOL)と向き合うことを大切にする透析クリニックで、今年で開院20周年を迎えました。院内は常に清潔に保たれており、透析室では最新のロボット掃除機が床面の清掃を行っています。また、待合室に設置された水槽が通院される患者様の心を癒してくれます。

サラティブPA、サラティブSH 導入までの道のり

-サラティブの導入を検討された背景は?

きっかけは新型コロナウイルス感染症です。2020年から日本でも本格的に流行し始めて、透析治療で必要な消耗品の品薄や欠品が問題になった時期がありました。当時使用していた透析装置専用の洗浄除菌剤も輸入品でしたので、例外なく供給が不十分になりました。さらに、価格が高騰したということもあり頭を悩ませていました。このような状況の中、紹介していただいたのが、サラヤから発売された過酢酸系洗浄除菌剤のサラティブPAです。


サラヤの過酢酸といえば、医療器具の消毒や滅菌に使用されているアセサイド6%消毒液を以前より知っていました。医療器具の種類は様々で、中には内視鏡のような高額なものもあり、院内で保有できる数量も限られます。このような保有数の少ない器材は一日に何度も洗浄・消毒を繰り返し、患者に使用されることもあります。

八木 智 様

したがって、医療器具に使用する消毒液は、短時間で消毒できることが大切だと思っています。アセサイド6%消毒液は、消毒を短時間で行えるだけでなく、人体への安全性が高く医療従事者が安心して使用できるという話や、多くの病院で使用されているという実績を知っていましたので、サラヤの過酢酸に対する高い信頼性から、サラティブPAの導入に至りました。2020年にサラティブPAを導入し、特に問題は発生していませんでしたので、2023年には次亜塩素酸ナトリウム系洗浄除菌剤のサラティブSHも導入しました。

-サラティブPA導入の決め手は何でしたか?

これまで使用していた透析装置専用の洗浄除菌剤が海外からの輸入品だったこともあり、日本国内の自社工場で生産されているサラティブPAは、品質管理や安定供給の面で安心することができました。また、洗浄除菌剤の使用量が抑えられることも導入の大きな決め手になりました。以前使用していたものは50倍希釈で使用していましたが、サラティブPAは夜間封入で400~600倍で使用できるので、経費削減効果を実感できました。また、洗浄剤の交換頻度が少なくなりましたので、スタッフの負担も減らすことができて助かっています。


サラティブPA/SHの導入後

- サラティブPA/SHはどのように運用されていますか?

以前より月曜日から金曜日までは過酢酸による洗浄、土曜日は過酢酸に加えて次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄を行っていました。一週間の洗浄工程はサラティブPA/SHに切り替えた後も大きな変更はありませんが、以前は30分としていた酸洗時間を見直して、サラティブPA導入後20分にしました。これは、過酢酸は10分で芽胞を含む菌を死滅させることができるという抗菌スペクトルに確実性を加味して設定しました。また、後水洗も10分短縮して20分に設定しました。これはコンソールの末端において、12~13分でサラティブPAの残留がないことをpHの測定により確認できたことが理由です。長い目でみると、これらの時間短縮によって水や電気などの使用量やコスト面での違いも出てくると思います。

- サラティブPA/SH導入後の評価はいかがですか?

エンドトキシンと生菌については、透析液水質基準に則った方法でサンプリングしてチェックしています。今のところ、サラティブPA/SHで運用しても全く問題のない数値なので、十分な効果が出ていると思います。

透析装置の金属部品に対するサラティブPAの防錆効果も良好です。透析装置を分解したときに金属部品に錆が出ていると問題なので、サラティブPAに切り替えて最初の頃は高濃度で使用していましたが、使用していくうちに400倍希釈や600倍希釈に変更しても除錆効果があるということがわかりました。この濃度で使用しても錆を抑えられていることは評価できると思います。

また、洗浄剤を補充する頻度が減りましたので、ストックを多く置く必要がなくなり、機械室にスペースができました。ストックを多く置いてしまうと物置化して埃も溜まりやすくなりますし、透析液の調製に粉末タイプの製剤を扱っていますので、粉末をこぼれたままにしておくと床が傷んだり汚れたりします。機械室は綺麗にしておくべきなので、スペースができて清掃しやすくなったのは助かります。


NEXT STEP

- 今後の課題や目標をお聞かせください

今後も、患者様に質の良い医療を提供できるようにしていきたいですが、高齢化の影響で車椅子の方が増えていることが気になっています。足を切断しなければならない患者様が出ないように、フットチェックをしっかりやりながら、運動やリハビリテーションなどにも目を向けていきたいと思っています。

今回インタビューさせていただいた方
  • 八木 智様

    透析室室長
    臨床工学技士

    八木様の経歴

    看護師として埼玉医科大学総合医療センター救命救急、狭山病院(現埼玉石心会病院)ICUで6~7年勤務
    1992年 臨床工学技士資格取得後、複数の透析病院で勤務
    2005~2018年 板倉クリニックに入職し13年半勤務
    2020年 板倉クリニックに復職し、現在に至る

編集後記

患者様のことを第一に考えておられる八木様は、新型コロナウイルス感染症に罹患された患者様の透析においても、パーティションで隔離した専用のベッドスペースを作って自ら対応されたそうです。患者様が足の切断に至らないように取り組まれているお話もとても印象的でした。そんな患者様第一の八木様に、サラティブPA/SHを評価いただけたことを嬉しく感じました。また、透析治療を適切に運用するために様々な工夫を凝らしておられ、商品の改善について貴重なご意見を頂戴することができましたので、今後の開発に生かしたいと思います。引き続き、透析が必要な患者様に対して、臨床工学技士や看護師の皆様が安心・安全な治療が提供できるよう、商品づくりに努めてまいります。(サラヤ株式会社 学術部) 


取材日:2024年6月25日

               

電話によるお問合せ:06-4706-3938(受付時間:平日9:00~18:00)