製品情報

製品導入事例

紫外線照射装置で職員の不安軽減と感染対策の強化!

医療法人 住友別子病院
住所 〒792-8543
愛媛県新居浜市王子町3番1号
病床数 360床
全職員数 767名(2021年4月現在)
手術件数 5,815件/年(2021年度)
病院のホームページ https://sbh.gr.jp/

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住友別子病院は「信頼される質の高い医療と福祉を提供し地域社会に貢献します」という理念を掲げた、130年以上の歴史のある東予地域の中核病院です。救急指定病院、地域がん診療連携拠点病院、日本医療機能評価機構認定病院、医師臨床研修指定病院であり、介護老人保健施設を併設しています。2018年には新病院をグランドオープンし、2021年には地域がん診療連携拠点病院の機能強化を図るため、緩和ケア病棟を設置しています。

導入製品

紫外線照射装置 SEPALIGHT 導入までの道のり

- 紫外線照射装置の導入を検討された背景は?
藤井 克匡様

当院は、2021年10月に新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の病棟を立ち上げました。新型コロナ病棟では、患者退院時に清拭清掃を行っていますが、ウイルスが残存しないよう丁寧に清掃すると1時間程度の時間がかかり、またどれだけ丁寧に行ったとしても、人の手による清掃は拭き残しなどによるウイルス残存の可能性があるため、職員から感染リスクに対する不安の声が上がっていました。そのため清拭清掃を補完する方法として、ノータッチ技術による環境感染対策品を追加することを考えました。ノータッチ技術による環境感染対策品としては紫外線照射装置や蒸気化過酸化水素発生装置などがありますが、蓄積されたエビデンスがあることから、紫外線照射装置の導入を検討するようになりました。なお、蒸気化過酸化水素発生装置は、病室の密閉やエアレーションが不十分で蒸気やミストを吸い込んだ場合の人体への影響が懸念されることや、作業時間が長いことから、検討対象からは除外しました。

- SEPALIGHT導入の決め手は何でしたか?

SEPALIGHTの製品特徴として、2台に分けて照射できることが挙げられます。広い部屋では2台を同時に使用することで何回も置き換えずに照射でき(1台タイプと比較して装置の置き換え回数が少なくて済む)、小部屋では2台を分けて1台だけで使用可能な点に魅力を感じました。

またサラヤ営業担当からの各種微生物に対する効果などの詳細な情報提供に加え、購入前にSEPALIGHTのトライアルを行い、操作性やインジケータによる照射効果の確認、室内での配置や照射時間の検証を実施し、「これだったら運用できる」と納得した上で購入を検討できました。SEPALIGHTのトライアルを行ったのは新型コロナ病棟を立ち上げて間もなくで、さらに第6波が始まり新型コロナ入院患者が増加した時期と重なりました。そのため、新型コロナ病棟で勤務する職員の「感染してしまうかも」という不安から、SEPALIGHTへの期待と安心感が高まり、さらに実際に使用することで操作の簡便さも相まって、購入を希望する意見があがるようになりました。

私自身、以前から紫外線照射装置に興味を持っていましたが、金銭面でハードルが高く購入申請には至っていませんでした。しかし、当時紫外線照射装置が行政の助成金の対象となっていたことと、安全面に配慮しつつもシンプルな機能で価格を抑えたSEPALIGHTのコストパフォーマンスの高さで金銭面の問題を解決でき、導入の決定打となりました。
※製品トライアル中のインジケータ使用について:オーバーテーブル、床頭台などの高頻度接触表面の他、床頭台の裏側など光が届きにくそうな場所にも貼付。貼付場所、照射時間による色の変化を確認。

SEPALIGHTの導入後

- SEPALIGHTはどのように運用されていますか?

新型コロナ病棟では患者退院後の必須業務として、また発熱外来では私が判断して必要時に使用しています。その他、突発的に新型コロナ陽性者が発生した部屋や、結核性腹膜炎疑い例の試験開腹後に手術室で使用したこともあります(陰圧換気システムがないため)。

新型コロナ病棟では、病室全体を環境清拭用クロスによる清拭などで清掃した後、2台を同時に使用して2回(1回あたり15分間)照射を行っています。1回目は、ベッドを挟むように装置を配置し照射を行います。2回目は、1台は床頭台を裏向けて照射し、もう1台は病室内のトイレを照射します。発熱外来では1台で使用し、1回15分間程度照射します。

新型コロナ病棟1回目照射(イメージ)
新型コロナ病棟2回目照射(イメージ)

※床頭台は引き出しを開けた状態。照射時にはベッドはマットレスを外し、ギャッチアップして裏・下側にも可能な限り光が届くようにしている。

発熱外来照射(イメージ)
運転時には付属品の立ち入り禁止表示を使用
   

SEPALIGHTは通常は新型コロナ病棟に保管しており、操作者を定めず自由に使ってもらっています。操作を行うのは主に看護師であり、SEPALIGHT導入前には看護師長に基本的な操作方法と、紫外線曝露の危険性があるため照射開始前に部屋を出ること、ベッドを挟むように配置することといった内容の指導を行い、看護師長から他の職員へ伝達してもらいました。新型コロナ病棟以外での使用では、設定照射時間が異なることや、作業が不慣れなことによる紫外線への曝露の危険性も考え、私が直接操作を行うことにしています。

なお、結石破砕室で突発的に新型コロナ患者が発生した時など、これまで照射を行ったことがない部屋で使用した際には、専用のインジケータを使用して照射効果の確認を行いました。

- SEPALIGHTの導入後、評判はいかがですか?

事前に照射時間などを設定しておけば誰でも簡単に操作でき、持ち運びも楽で使い勝手が良いです。また、SEPALIGHTという言葉を用いなくとも、看護師との間では例えば「後は"あれ"を当てとったら大丈夫よね」で会話が成立します。それほど当院ではSEPALIGHTが浸透しており、また職員の安心感向上にもつながっています。

NEXT STEP

- 今後のSEPALIGHTの運用予定は?

新型コロナが終息した後でも、多剤耐性菌(MDRPなど)やClostridioides difficileなどの環境からの感染リスク軽減のため、患者退院後のターミナル清掃などに活用したいと考えています。

- 今後の課題や目標をお聞かせください。

環境整備に関しては、環境からの感染を防止するために、SEPALIGHTも有効活用しながら、基本的な清掃の精度を上げることがポイントだと思います。当院では看護師や看護補助者だけではなく、委託業者も清掃に携わっています。看護師や看護補助者は私の目が行き届くため、都度正しい清掃方法や感染対策の知識を指導できますが、委託業者の清掃員は、清掃方法やクロスの適正使用、清掃時PPEの使い分けに課題を感じることもあります。今後は委託業者の清掃員への教育も進めていきたいです。

また、新型コロナ禍において地域の施設や教育機関などで新型コロナクラスターが発生したことから、医療従事者以外の方も感染対策の知識レベルを底上げする必要性を感じています。そのため、地域全体の感染対策力を向上できるような活動に、より一層力を入れたいと考えています。なお、今までも様々な施設や一般の方に対して感染対策の勉強会を実施した経験がありますが、例えば高齢者施設では、勉強会と同時に環境清拭用クロスを紹介することで、雑巾での清拭からクロスに切り替えとなったことがありました。他にも、手荒れ対策に配慮した手指消毒剤を紹介したことで、手指衛生遵守率が向上した事例もありました。正しい感染対策知識の普及に加えて様々な感染対策製品を紹介することも、感染対策を進める鍵になると思います。勉強会の際にはメーカーさんにも製品展示などの協力をお願いしたいと考えています。

今回インタビューさせていただいた方
  • 藤井 克匡様

    感染対策室 主任 院内感染管理者 
    感染管理認定看護師

    藤井様の経歴

    2000年 住友別子病院 入職
    2012年 感染管理認定看護師 取得
    2017年 感染対策室 主任 現在

編集後記

新型コロナ禍において、日々感染リスクに対する不安やストレスに晒されながら勤務されている医療従事者の方々に、まずは心より感謝の念を述べさせていただきます。今回の取材で、SEPALIGHTがその不安感の払拭に寄与できていると伺うことができ、大変嬉しく感じました。また、SEPALIGHTの仕様や紫外線ランプの今後の活用について貴重なご意見を頂戴することができました。今後も、変化する感染症問題に対応し皆様の感染対策にお役立ていただけるよう、製品開発や情報提供に努めてまいります。(サラヤ株式会社 学術部)

取材日:2022年4月12日

               

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