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学術情報

感染症info

インフルエンザ

感染対策

インフルエンザは、例年、11月上旬頃から散発的に発生し、1月下旬から2月にピークを迎えた後、急速な患者数の減少を経て、4月上旬頃までに終息します1)。インフルエンザウイルスの感染力は非常に強く、病院内で大流行が起こる可能性もあるため、外部から院内へのウイルス持ち込み阻止、ハイリスク患者および医療従事者への積極的なワクチン接種等、各施設の状況を踏まえて十分な対策を整えることが重要です。

医療施設におけるインフルエンザ対策

狭発生の予防1〜5)
標準予防策とワクチン接種が基本

インフルエンザ発生の予防として、手指衛生、咳エチケット、個人防護具の着用など日々の標準予防策を確実に実施します。また、発症の可能性を減らす、発症しても重症化を防ぐといった観点から、ワクチン接種を行うことが重要です。
ワクチン接種が望ましい人は、医療従事者、妊婦または妊娠の可能性がある女性、基礎疾患を有する者、65歳以上の高齢者です。特に、65歳以上の高齢者は毎年、国内におけるインフルエンザによる死亡者数の大多数を占めるため、注意が必要です。尚、日本国内で使用するワクチン株は毎年、以下の手順を経て選定されます。

1.WHO
専門家会議でインフルエンザワクチンに用いる推奨株を選定
2.国立感染症研究所
専門家による検討会議を開催し、WHOの推奨株を参考に、日本の流行状況や国民の抗体保有状況等から予測
3.厚生労働省
ワクチン株を最終決定
発生時6〜8)
標準予防策を遵守のうえ、以下の具体策(飛沫予防策)を追加

※必要に応じて接触予防策を追加

患者配置
  • 可能な限り個室に入室させる
※個室収容が困難な場合は、同じインフルエンザウイルス型の複数患者を同室へ収容する(コホート)
個人防護具
  • 患者に接する際はサージカルマスクを着用する
  • サージカルマスクは患者ケアエリア(個室等)に入る前に着用する
※手袋、ガウン、ゴーグル等の個人防護具を適宜着用する
患者移送
  • 病室外への移動は最小限にする
  • 移送する場合、患者はサージカルマスクを着用する
  • 移送に関わるスタッフおよび移送先に患者に関する情報(診断、直近の予防策等)を共有する
参考資料

2014年3月