各種ガイドライン
手指衛生
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- 米国
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- 米国
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Guideline for Hand Hygiene in Health-Care Settings(2002年)
医療現場における手指衛生のためのガイドライン【原文】
CDC. Guideline for Hand Hygiene in Health-Care Settings. MMWR 2002; 51 (RR-16) .
http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/rr/rr5116.pdf【訳本】
満田年宏 監訳. 医療現場における手指衛生のためのCDCガイドライン.
h_hygiene_cdc.pdf(2.2MB)
大久保憲 訳. 小林寬伊 監訳. 医療現場における手指衛生のためのCDCガイドライン. メディカ出版, 2003.2002年、米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)より発表された医療現場における手指衛生のためのガイドラインです。手指衛生に関する科学的データを評価し、医療現場における手指衛生行動を改善するため作成されました。
本ガイドラインの最大のポイントは、CDCがこれまで推奨されてきた「石鹸と流水による手洗い」から「アルコール擦式手指消毒薬による手指衛生」を第一選択とする基本方針に大転換されたことです。その他に手指衛生遵守率に関する検討や手術時手指消毒、スキンケアに関する勧告も示されています。SHEA/IDSA/APIC Practice Recommendation: Strategies to prevent healthcare-associated infections through hand hygiene: 2022 Update.
【原文】
SHEA/IDSA/APIC Practice Recommendation: Strategies to prevent healthcare-associated infections through hand hygiene: 2022 Update.
https://www.cambridge.org/core/journals/infection-control-and-hospital-epidemiology/article/sheaidsaapic-practice-recommendation-strategies-to-prevent-healthcareassociated-infections-through-hand-hygiene-2022-update/FCD05235C79DC57F0E7F54D7EC314C2C2014年発行のStrategies to Prevent Healthcare-Associated Infections through Hand Hygieneの改訂版で、米国医療疫学学会(SHEA)主導のもと、米国感染症学会(IDSA)、米国感染管理疫学専門家協会(APIC)、米国病院協会(AHA)、医療施設認定合同機構が協働し、専門性を有する組織や学会の代表と共に作成し、CDCの審査も受けたガイドラインです。急性期病院向けとなっていますが、エビデンスに基づいた実践的な勧告は、手指衛生を通じた医療関連感染防止に戦略的に取り組む施設に役立つ内容となっています。
健康な手の皮膚や爪を保つことを必須事項として、施設全体で手荒れ防止に取り組み、爪の手入や施設承認の保湿剤の提供、手洗いよりもアルコール含有手指消毒剤による手指消毒を実施することが強調されています。また、手を介した感染防止の観点から、適切な手袋の使用の徹底、シンクや排水口に関連する環境汚染を低減させるための管理方法が新しい推奨事項として加えられています。適正な製品の選択、手指消毒剤の戦略的な配置と設置の最低基準(個室では最低2か所)、各種モニタリング法の利点と欠点なども示されています。
本ガイドラインはInfection Control & Hospital Epidemiology(44(3): 355-376)でも発表されています。
- カナダ
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Best Practices for Hand Hygiene in All Health Care Settings, 4th ed. April 2014.
Public Health Ontario. (2014年)
https://www.publichealthontario.ca/-/media/documents/bp-hand-hygiene.pdf?la=enカナダ オンタリオ州公衆衛生局 Public Health Ontarioが2014年に発行した、医療現場における手指衛生のためのベストプラクティス第4版です。初版は2008年に、オンタリオ州感染症諮問委員会 Provincial Infectious Diseases Advisory Committee(PIDAC)が作成したもので、本ガイドラインはPIDACの情報提供をもとにオンタリオ州公衆衛生局から発行された改訂版です。
手指衛生の遵守率改善が感染制御に貢献することを示すエビデンスを多数掲載しており、エビデンスに基づいた手指衛生遵守プログラムを構築するための多角的な取り組み方法を詳細に示しています。アルコール手指消毒剤の適正使用とその効果や、ノンアルコール手指消毒剤は効果がまだ十分に証明されていないため医療環境で使用するべきではないことなどを明記しています。また、直接観察モニタリングとそのフィードバック方法、手術時手指消毒時に用いるアルコール手指消毒剤について追記されています。
- 国際機関
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WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care(2009年)
医療現場における手指衛生のためのWHOガイドラインWHO. WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care
https://www.who.int/publications/i/item/97892415979062009年、世界保健機関(World Health Organization: WHO)から発表された医療現場における手指衛生のためのガイドラインです。このガイドラインは、2006年に草案が発表され、その後パイロット試験を行い、その教訓および文献とデータをまとめ、2009年に最終版が発表されました。また、このガイドラインは、すべての国を対象とし、グローバルな視点で作成されています。内容は、手指衛生に関した科学的データの概説、手指衛生に関する勧告、手指衛生の評価方法、手指衛生向上のための国家的取り組み、手指衛生促進への患者の関与、国家および地域の手指衛生ガイドラインの比較について書かれています。このガイドラインは2011年まで有効で、2年から3年ごとに更新されます。
※ サマリー版も発表されています。WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care: a Summary
https://iris.who.int/handle/10665/70126