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文献紹介

洗浄・消毒・滅菌

Complex design of surgical instruments as barrier for cleaning effectiveness, favouring biofilm formation手術器具の複雑な設計は洗浄効果を阻害し、バイオフィルムの形成を促進する

著者
Lopes LKO, Costa DM, Tipple AFV, Watanabe E, Castillo RB, Hu H, Deva AK, Vickery K.
出典
J Hosp Infect. 2019 Sep;103(1):e53-e60. doi: 10.1016/j.jhin.2018.11.001

洗浄、滅菌、再生処理、手術器具、RSIs、RMD、バイオフィルム、微生物、整形外科

この研究は、複雑な形状をもつ再使用可能手術用器械(Reusable Surgical Instruments:RSIs)が、適切に再処理されない場合、汚染物質の残留やバイオフィルム形成を助長する可能性を評価することを目的としています。著者らは、フレキシブルリーマーおよびデプスゲージを対象に、5%羊血液および109cfu/mLの黄色ブドウ球菌を含む汚染液に5分間浸漬し、7時間乾燥させた後、洗浄(①流水すすぎ、②手洗い、③手洗い+自動洗浄のいずれかを実施)および滅菌を実施しました。この再処理サイクル(汚染・洗浄・滅菌)を合計20回繰り返しました。洗浄工程では、洗浄手順後にアデノシン三リン酸(ATP)を測定し、10回目および20回目の再処理後に微生物量と残留タンパク質を各3回測定しました。さらに、最後(20回目)の再処理後に走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、残留汚染物およびバイオフィルムの有無を評価しました。
その結果、①流水すすぎと比較して②手洗いおよび③手洗い+自動洗浄のいずれの洗浄法においてもATP値および残留タンパク質量は有意に低下しました。また、滅菌後の培養では生菌は検出されませんでした。一方、SEM観察では、自動洗浄後では土状汚れ (soil) が、手洗いのみではsoilに加えてバイオフィルムの形成が確認されました。分解可能なデプスゲージにおいても内部に生物学的残留物およびバイオフィルムの蓄積が認められました。
これらの結果から、複雑な構造を有するRSIsでは、現行の再処理プロトコルを適用しても汚染物質を完全に除去できない場合があり、患者転帰に悪影響を及ぼす可能性があると結論付けられています。

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