製品導入事例
シャワートロリーの導入で患者様にホッと安らげる時間を
- 秋田大学医学部附属病院
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住所 〒010-8543
秋田県秋田市広面字蓮沼44-2病床数 600床
(一般病床:566床,精神病床:32床,感染症病床:2床)全職員数 1,544名(2025年11月現在) 病院ホームページ https://www.hos.akita-u.ac.jp/ ※上記のリンク先ウェブサイトはサラヤ株式会社の個人情報保護方針は適用されません。
リンク先の個人情報保護方針をご確認ください。秋田大学医学部附属病院は、秋田県内唯一の特定機能病院で、高度急性期病院として、重症患者を対象とした高度専門診療(がん、難病、循環器病、高齢者、周産期医療)に取り組んでいます。
「良質で高度な医療を安全に提供する」「人間性豊かな優れた医療人の育成をする」「地域医療の中核的役割を果たす」などを病院理念に掲げ、少子・超高齢社会の変化に対応した専門性の高い医療を提供しています。大学の附属病院として、医学科や保健学科(看護学、理学療法学、作業療法学)の教育も担っており、多くの学生に対し充実した実習指導を行っています。
- 導入製品
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シャワートロリー
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Carevo®
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はじめに
当院では、第二病棟6階(消化器内科・腫瘍内科)でシャワートロリーCarevo(以下、Carevo)を導入しています。病棟の病床数は52床、職員構成は看護師34名、看護助手5名で、平均年齢は33.5歳、男女比は約1対5と女性が中心の職場です。平均在院日数は9~11日程度で、終末期の患者様に対して症状緩和やQOL向上を目的とした、積極的なシャワー浴に取り組んでいます。
シャワートロリー Carevo導入までの道のり
- シャワートロリーの導入を検討された背景は?
当院では従来、寝たきりの患者様のシャワー浴にはシャワー浴用ストレッチャー(以下、ストレッチャー)を使用していました。しかし、ストレッチャーは構造が複雑で清掃に手間がかかる上、経年劣化も進んでいました。特に素材の特性上、乾燥しにくく排水も不便だったため、サビやカビが発生するなど衛生面の管理が課題となっていました。
また、安全面でも懸念がありました。ストレッチャーは幅が狭いため、体格の良い患者様には窮屈で、背部を洗浄するために患者様を側臥位にすると転倒・転落リスクを伴います。また、転落防止用手すりの操作時に、浮腫(むくみ)の強い患者様では皮膚を挟んでしまうリスクもありました。
介助体制の面では、ストレッチャーでの入浴介助は、通常、看護師1名と看護助手1名の2名体制(場合によっては看護助手2名)で実施していましたが、体格の大きな患者様や精神症状を有する患者様の場合は、最大で3~4名の人手が必要となります。さらに、入浴介助後の本体の拭き上げや、移動時に廊下に落ちた水滴の清掃にも多くの時間と手間を要していました。人手が十分に確保できない状況では、シャワー浴そのものを断念せざるを得ないこともあり、入浴介助の安全性向上と職員の負担軽減が急務となっていました。
- Carevo導入の決め手は何でしたか?
Carevoを導入する決め手は、患者様にとってのメリットが非常に大きいと感じたことです。
Carevoのマットレスは、保温性とクッション性に優れており、寝たきりの方でも体力の消耗を最小限に抑えることができます。また、従来のシャワー浴では難しかった簡易入浴が可能になるため、これまで寒さを理由にシャワー浴を敬遠されていた患者様にも安心してお勧めできると感じました。さらに、背角度の調整機能により、耳や鼻への浸水を防げるだけでなく、永久気管孔のある患者様に対してもリスクを回避しながら安全に介助できる点にも魅力を感じました。
介助者の視点では、腰痛などの身体的負担の軽減が大きなポイントでした。患者様が臥床状態のまま手元のコントロールパネルでベッドの昇降や背角度の調整ができるため、無理な前かがみ姿勢を取る必要がなく、腰痛予防につながります。また、Carevoは速乾性に優れた素材で、排水もスムーズなため、清掃や拭き上げの時間が短縮され、結果として1名体制での入浴介助が可能となり、深刻な人手不足の解消にもつながると考えました。加えて、アルコール含有ワイプによる清拭が可能で、感染対策面でも衛生的に使用できること、操作が簡単でシンプルであることなど、現場で日常的に使い続けられる要素が整っていたことが、導入の大きな後押しとなりました。
- 導入前のハードルはありましたか?
最大のハードルは、予算確保でした。各病棟に1台ずつ配置していたストレッチャーの経年劣化が進み、更新が必要でしたが、検討していたCarevoは高額なため、全台を一度に更新するための予算獲得は容易ではないと感じていました。
事態が動いたきっかけは、実機によるデモンストレーションでした。実際に使用してみると、患者様から好評の声が多く寄せられ、看護職員の満足度も非常に高いことが判明しました。そこで、まずは1台からでも導入したいと考え、事務部門に病院寄付金の活用について相談しました。Carevoがもたらすケアの質向上と業務効率化のメリットを伝えて交渉した結果、寄付金の充当が認められ、導入が実現しました。
運用面では、保管場所として予定していた病棟の通路において、患者様の動線や清掃業務に支障が出ないか、慎重にシミュレーションを重ねました。また、故障を防ぐため、機器部分への水濡れ厳禁といった取り扱いルールを策定し、看護職員全体に周知・説明を行うことで、安全かつ円滑な運用開始につなげることができました。
シャワートロリー Carevoの導入後
- Carevoはどのように運用されていますか?
当院の第二病棟6階(消化器内科・腫瘍内科)にて、特定の疾患に限定せず、患者様の状態に合わせて活用しています。主に難治性褥瘡や強度の浮腫・スキン‐テアを抱える方、終末期の患者様を優先し、がん性疼痛や骨転移があり、温罨法による緩和が期待できる患者様、長期間入浴が困難であった慢性期の患者様にも使用しています。
従来は週1回のシャワー浴に加え、ベッド上での洗髪や手足浴、清拭などの部分浴を計画的に実施していましたが、Carevo導入後は、部分浴を省略し、週2回のシャワー浴を計画できるようになりました。また、実習生を受け入れる際、患者様の状態に十分配慮したうえで、シャワー浴の介助を経験する貴重な教育機会としても活用しています。
ベッドからCarevoへの移乗の際は、両脇のサイドサポートを下げ、褥瘡予防のために敷いている除湿シーツを利用することでスムーズな移乗を行っています。機器の管理については、看護補助者が責任をもって使用後の清掃やメンテナンスを行う体制を構築しており、専門の担当者を置かずとも安全かつ効率的に運用できています。
-Carevoを導入して良かったと感じる点とは?
最大の成果は、期待していた「介助者の負担軽減」と「業務効率の向上」が実現できたことです。
まず、移乗の安心感です。以前のストレッチャーは幅が狭く、介助者には転落の不安や緊張感があり、患者様も恐怖心を感じている様子が見受けられました。一方、Carevoは幅が広く、マットのクッション性も高いため、双方が安心して移乗ができるようになりました。
次に、シャワー浴中の介助体制の適正化です。従来のストレッチャーはサイドレールが中央に2本あるのみで、側臥位での背面洗浄の際には、転落リスク防止のため2名体制が必須でした。一方、Carevoは四方を囲む構造のため、1名での安全な介助が可能になり、その結果、もう1名のスタッフは他の業務に充当できるなど、病棟業務全体の効率化に繋がっています。
さらに、使用後の清掃についても、作業効率が改善しました。Carevoは速乾性と排水性に優れているため、清掃や水分の拭き上げにかかる時間は体感的に従来の約3分の1まで短縮されています。操作性においても、以前は高さ調整の際に手動ハンドルを回す必要があり、その都度患者様から目を離さざるを得ませんでしたが、Carevoは電動で手元操作が可能なため、常に患者様を見守りながら介助できるようになりました。無理な前かがみ姿勢が減少したことで、介助者の腰痛など身体的負担の軽減も実感しています。
これらの効果により、介助者が精神的にも余裕をもってケアに当たれるようになり、それが患者様へのより質の高い、安らぎのある入浴時間の提供につながっています。
-導入後の評判はいかがですか?
導入後、現場の介助者からは、「操作がシンプルで介助が楽になった」「後片付けの負担が大幅に減った」といった声が上がっています。また、「患者様の気持ちよさそうな表情を見て自分たちも嬉しい」と話す介助者も多く、ケアに当たる側のモチベーション向上にもつながっています。
患者様からは「まるでお風呂に入っているみたいで気持ちがいい」「他の人にも勧めてあげて」といった声をいただいています。中には、ご自身の病状からシャワー浴を諦めていた患者様から「今、こうしてお風呂に入れるとは思わなかった。本当にありがとう」と感謝を伝えてくださる場面もあり、大変嬉しく感じています。
特定機能病院では、どうしても治療が最優先となり、清潔ケアの優先順位が下がりがちです。しかし、Carevoでのシャワー浴は洗浄だけに留まりません。寝たまま行える半身浴は、日々ベッド上で制限の多い生活を送る患者様にとって、心身ともにリフレッシュできる時間となっています。患者様のご家族からも「きれいにしてくれてありがとう」と感謝の言葉をいただき、導入して良かったと心から感じています。
NEXT STEP
- 今後どのような取り組みをしていきたいですか?
今後は、Carevoを中央管理として全部署で有効活用できる仕組みの構築を目指しています。当院は1階から8階まで病棟があり、多様な診療科の患者様が入院されています。院内の入浴環境が限られる中、シャワー浴は重要な選択肢ですが、従来のストレッチャー運用では様々な課題がありました。Carevoはそれらの課題を解消し得る、可能性があります。
入院生活におけるシャワー浴は、単なる清潔ケアにとどまらず、人としての尊厳を守る大切な時間です。特に、臥床状態でも安全かつ快適にシャワー浴ができるCarevoは、患者様の満足度も高く、職員も「患者様にシャワー浴による清潔ケアを提供したい」「喜ぶ表情を見たい」という思いでケアに取り組んでいます。こうした患者様・介助者双方が満たされる場面を病院全体に広げるため、今回の導入メリットを院内各所に発信していきたいです。多職種の協力を得ながら、どの部署でも必要な時にCarevoを共有・活用できる体制を整え、病院全体のケアの質を底上げしていきたいと考えています。
- さいごに
特定機能病院には、難治性疾患と向き合う患者様や、終末期の患者様も少なくありません。病気と向き合いながら、病院にいながらも、「お湯の温かさ」を感じ、心からホッと安らげる時間を共有できるのがCarevoの価値です。
人手と労力を要する入浴介助ですが、電動で操作も簡便なCarevoは、少人数での安全な介助を可能にしました。患者様からの喜びの声は、ケアに携わる私たち職員のモチベーション向上にもつながり、何よりの活力となっています。
同様の課題を抱える施設の皆様には、Carevoの導入が患者様のQOL向上のみならず、職員の負担軽減や働きがいのある環境づくりにもつながることをお伝えしたいです。当院はこれからもチーム一丸となり、最良のケアを追及してまいります。
- 今回インタビューさせていただいた方
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小松 千賀子様
副看護部長
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小林 禎子様
副看護部長
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田口 郁子様
看護師長
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武石 美香様
看護師長
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- 編集後記
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今回の取材では、特定機能病院におけるシャワートロリーCarevoの活用についてお話を伺いました。Carevoの導入により、介助者の負担軽減や業務効率の向上だけでなく、患者様が病院にいながらも「お湯の温かさ」を感じ、ホッと安らげる時間を過ごせるようになったことに大きな喜びを感じました。今後ともCarevoをお役立ていただけるよう、導入をご検討中の方や運用方法にお困りの方へ有益なご提案ができるよう精進してまいります。 (サラヤ株式会社 学術部)
取材日:2025年11月17日
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