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製品情報

製品導入事例

いつでもどこでも手指消毒ができる環境作り

医療法人創起会 くまもと森都総合病院
住所 〒862-8655
熊本県熊本市中央区新屋敷1丁目17番27号
病床数 199床
全職員数 351人(平成25年12月現在)
手術件数 1638件(平成24年度)
病院のホームページ http://www.k-shinto.or.jp/

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熊本城と水前寺公園の中間に位置する医療法人創起会 くまもと森都総合病院は、大正11年(1922年)の開設以来(当時は熊本逓信診療所)、「質の高い医療を通じ地域に愛され、親しまれる病院を目指す」を理念としながら、90年以上の長きに渡り、地域に根ざした医療を提供されています。また、平成25年9月には「在宅療養支援病院」として、在宅医療機関との連携を図り後方支援病院としての役割も担っておられます。

導入製品

アルコールジェル携帯用ウエストポーチ(以下、ウエストポーチ)導入までの道のり

- ウエストポーチの導入を検討された背景は?

ウエストポーチを導入する前は、手指消毒剤を廊下に設置していました。
毎月の手指消毒剤の使用量を計っていましたが、使用量が少なく、使用状況を確認するためにプロセスチェックを行いました。
その結果、手指消毒を行うタイミングは患者ケアを行う場所で発生するにも関わらず、手指消毒剤は廊下にしか設置していなかったため、必要なタイミングで手指消毒を実施できない環境が浮き彫りになりました。
そこで、いつでもどこでも手指消毒ができる環境を作るため、ウエストポーチの導入を検討しました。

- ウエストポーチの導入の決め手は何でしたか?
満井美奈子看護師長

いつでもどこでも手指消毒ができる環境を作ることに加え、それまで使用していた布エプロンを廃止することも課題の1つでした。
サラヤさんには小物が入らないタイプのポシェットもありますが、ウエストポーチには小物が入るポケットがあり、布エプロンのポケットに入れていたペンなど、ちょっとした小物を入れられるので布エプロンの廃止も同時にできるということで導入に踏み切りました。

- ウエストポーチの導入はスムーズでしたか?

ウエストポーチの導入自体には問題はありませんでしたが、色について接遇委員会から意見がありました。
当初はピンクかブルー、好きな色を自由に選んでもらう予定でしたが、「ピンクは色が濃く、白衣に着用すると目立つのではないか」との意見が出たため、白衣の看護師はブルー、作業衣がピンクの看護助手はピンクのウエストポーチを着用することにしました。

ユニフォームの色によって色を決定したウエストポーチ。
左手:看護師(ブルー)、右手:看護助手(ピンク)

- ウエストポーチ導入後

- ウエストポーチ導入後のスタッフに変化はありましたか?
ウエストポーチ着用基準

導入直後は、ウエストポーチを白衣の中にいれたり、腰より低い位置で着用したり、ウエストポーチの小物入れに不要なものまで色々入れたりしていました。
そこで「ウエストポーチ着用基準」を作成し、毎日の病棟ラウンドでチェックし、必要に応じて指導をしてきました。現在では、ほとんどが基準どおりに着用できています。
また、ウエストポーチに250mL のサニサーラW を入れて手指消毒に使用していますが、サニサーラW の重みで、処置の際など前かがみになった時にウエストポーチが前にズレてきます。そこで、ウエストポーチをクリップで留めたり、付属の紐2本で斜めがけと腰巻きの両方で体に固定したり、白衣のウエスト部の紐にウエストポーチの紐を通したりと個々人が工夫をしてくれました。

ウエストポーチは看護師・看護助手だけでなく、進んで着用してくれるドクターや検査技師がいます。
事務スタッフにも廃棄物運搬時には着用してもらうようにしています。
看護師だけでなく院内の様々なスタッフの手指衛生に関する意識が高まってきたように感じています。

- 手指消毒剤の使用量調査はどのようにされていますか?
5つのタイミングを啓発する感染広報
(ジェル班作成)

リンクナースを6 つの班(サーベイランス班、ラウンド班、廃棄物班、教育班、広報班、ジェル班)に分け、それぞれ活動をしてもらっています。看護師を対象とした勉強会を毎月開催していますが、勉強会の担当も班ごとに持ち回りで実施し、教育にも携わってもらうようにしました。
ジェル班は「WHO 手指衛生5つのタイミング」に関する勉強会を開催し、自分たちが毎月作成している感染広報(ポスター)も5つのタイミングを啓発するものを作成しました。
保健所監査で「タイミングの勉強会をしているか」と聞かれた際、勉強会の資料を提示し、しっかり教育をしていることを示すことができました。
「勉強会で分からない質問が出たら答えられない」と不安がるリンクナースもいますが、勉強会に私も参加しサポートをしています。自分で学んだことを人に伝えることが大切だと考えています。

- 看護師以外を対象とした勉強会もされていますか?

はい、手洗い・手指消毒の勉強会は全職員を対象としています。蛍光塗料を用いた手洗いチェック、手指消毒チェックを行い、全員が実施したことを確認するため記録をつけています。
また、同じ内容の勉強会を3 回程度実施し、全員が参加できる環境を作っています。それでも参加できなかった人にはリンクナースが資料を持って説明に行くようにしています。

NEXT STEP

- 今後の課題や目標をお聞かせください。

今回導入したウエストポーチのお手入れは現在、個人任せにしていますが、洗濯回数など、組織で基準を作らなければならないと考えています。

次にPPE に対する意識改革を目標としています。
ウエストポーチの導入で手指消毒をいつでもどこでも実施できる環境を作ることができたので、次は標準予防策をしっかりと遵守できる環境を作りたいと考えています。
また、手袋着脱のタイミングやディスポーザブルエプロンを脱ぐタイミングなど、職員によって理解度に差があるため、PPE着脱のタイミングに関する勉強会の実施も検討しています。

教育についてはPPE 以外にも課題があります。
中堅以上の職員は現在の新人研修の内容を知らないこともあるので、中堅以上の職員にも新人同様に最新の情報を学んでもらう機会を設けることを目標としています。

今回インタビューさせていただいた方々
  • 満井 美奈子様

    感染対策室
    看護師長

    満井様の経歴

    1995年
    NTT西日本九州病院入職
    2004年
    看護部感染委員リーダー
    2011年
    ICTとして活動開始
    2013年
    感染対策室 看護師長(感染管理専従)

編集後記

病棟で実際にウエストポーチを着用されている姿を拝見し、非常に嬉しく感じました。皆さんで導入された製品をより便利に使用できるよう工夫されていることに感銘を受けたと同時に、使い勝手など貴重なご意見を頂戴することができました。
また、ご自身で全てをするのではなく、指導できるスタッフの育成など次世代につづく教育に意欲的に取り組んでおられる姿勢がとても印象的でした。

取材日:2013年11月14日
インタビュー:サラヤ学術部 竹野、引頭

               

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