業務負担軽減と患者様の安全に配慮した陰部ケア・身体清拭方法の変更
医療法人友紘会 友紘会総合病院
住所 | 〒567-0058 |
病床数 | 278 床 |
全職員数 | 429名(2026年6月30日現在) |
ホームページ |
※上記のリンク先ウェブサイトはサラヤ株式会社の個人情報保護方針は適用されません。リンク先の個人情報保護方針をご確認ください。
導入製品
スキナル
拭き取り泡ボディソープ


スキナル 拭き取り泡ボディソープ導入までの道のり
導入を検討された背景は?
当院ではこれまで、オムツ装着や寝たきり、自己で動けない患者様などの陰部洗浄に、液体ボディソープと微温湯を用いていました。この方法では、液体ボディソープを十分に泡立てて洗浄し、洗浄後にはしっかりと石鹸成分を洗い流す必要がありますが、泡立て方法や洗い流すための水量はスタッフ間でばらつきがあり、石鹸成分の残留や、特に冬場には皮膚の乾燥によるかゆみやオムツかぶれのリスク増加といった問題がありました。加えて、洗浄後の保湿に関しても、個人での保湿剤の準備が難しい患者様もおり、肌トラブルの悪循環を招く場合もありました。また、ボディソープの泡立てに時間がかかるため、その間に微温湯が冷めてしまい、患者様に不快なひんやり感を与えてしまうこともありました。陰部洗浄用ボトルは感染対策の観点から患者様ごとに1本用意していたため、病棟単位で多くの本数が必要であり、微温湯の温度管理と準備に加えて、使用後のボトル洗浄や乾燥の手間も生じ、保管スペースの確保も課題でした。このように、準備やケア、片付けに時間がかかり、看護助手の前残業が発生するなど業務負担が大きいことが課題でした。
こうした現場の課題が業務改善委員会で挙がり、委員の1人より、前勤務先の病院で、陰部ケアを「洗浄」から洗い流し不要の「清拭」に変更し、陰部洗浄用ボトルの廃止やケア時間短縮に成功した事例が紹介され、当院でも業務改善の1つとして陰部洗浄方法を見直すことにしました。
導入の決め手は何でしたか?
陰部洗浄から陰部清拭への変更に際し、陰部清拭用ワイプと洗い流し不要の泡タイプ清拭剤(スキナル 拭き取り泡ボディソープ)の2種類を試用しました。ワイプは使い慣れていなかったこともあり、清拭方法や使用枚数に関して現場から多くの質問が寄せられ、手順が遵守されにくいことや規定の枚数では便汚れを落とすのが難しいと感じました。
一方、スキナル 拭き取り泡ボディソープはポンプを押すとキメ細かい泡が出て、簡単に広げられる点が好評でした。また、香りが良く、しっとりとした感じがするとの声もありました。スタッフにとって、液体ボディソープから泡タイプへの切り替えは受け入れやすかったようです。
療養病棟では、高齢で拘縮が強く、皮膚トラブルに悩む患者様もいらっしゃいます。そういった患者様に対して、拘縮箇所を無理に開いて洗浄しようとすると骨折や皮膚剥離のリスクがありますが、泡タイプならば滑りがよくやさしく洗浄することができるため、陰部清拭だけではなくスキンケアにもスキナル 拭き取り泡ボディソープを活用できるのではないかと考えました。
そこで、症例研究として、敏感な皮膚の患者様の手指や腋窩にスキナル 拭き取り泡ボディソープを約1ヶ月半使用したところ、皮膚トラブルの改善や臭いの軽減が認められました。これらのことから、当院では泡での清拭がより適していると判断しました。
また、導入前のアンケートでは、病棟間で差異はあるものの、香りや肌触り、使い勝手の良さが評価され、業務効率化への期待も寄せられました。これらを総合的に判断し、導入を決定しました。
導入前のハードルはありましたか?
費用負担をどうするか、患者様負担か病院負担かも含めて、色々と検討を重ねる必要がありました。最終的には、院内売店での販売とし、必要な患者様に個人購入をお願いする形をとりました。
入院時の説明では、スタッフがパンフレットを用いて、「当院では皮膚にやさしい洗浄料を導入しています。売店にあるので良かったらお買い求めください」とご案内しています。しかし、患者様やご家族のご理解やご購入意欲はさまざまであるため、全ての患者様に一律に使用することはできません。
また、スタッフとしても、これまでは週2回の入浴や毎朝の微温湯と液体ボディソープによる陰部洗浄を行ってきた中で、特に療養病棟で長期入院されている患者様などに対して、高額な消耗品の購入をお願いできるのかという不安がありました。さらに、患者様の中には、「この匂いが好きだから」といった理由で、ご自身のボディソープを持参されることもあります。
そうした患者様のご意向は尊重しつつも、スキナル 拭き取り泡ボディソープを看護ケアとして安全かつ有効に使用できることを確認するため、症例研究を行いました。その結果をスタッフへ共有し理解を得た上で、患者様へご案内するようにしました。
スキナル 拭き取り泡ボディソープの導入後
どのように使用されていますか?
地域包括医療病棟では陰部ケア、療養病棟ではスキンケアに主に使用しています。
地域包括医療病棟では、毎朝の陰部ケア時にスキナル 拭き取り泡ボディソープを使用し、泡でやさしく清拭し、摩擦を避けたケアを行っています。スキナル 拭き取り泡ボディソープを購入されているのは対象者の約半数です。排便がある場合は、ある程度落としてから清拭しています。軟便等で拭き取りが難しいときには必要に応じてお湯で洗浄しています。
スキナル 拭き取り泡ボディソープは一般的なボディソープと比べて泡がキメ細かく、しっとりとした感じがするとの声があります。また、腰痛等で一時的にバルーンを挿入している患者様の中には、陰部ケアへの抵抗感がある方もいますが、スキナル 拭き取り泡ボディソープは清拭のため、トイレでセルフケアを行っていただくことができ、スタッフが下着の履き替えだけをお手伝いするといった対応も可能になっています。
療養病棟では、敏感な皮膚の患者様に対する使用で皮膚トラブルの改善や臭気軽減に繋がったという症例研究の結果を踏まえ、スキンケアに活用しています。当初は陰部清拭での使用も試みましたが、患者様の購入状況によりケア方法が異なることでスタッフの混乱を招いてしまったため、現在はスキンケアのみに使用しています。泡を皮膚にのせて軽く押し拭きし、微温湯でサッと洗い流すだけで汚れや前塗布薬剤を除去することができ、摩擦を抑えた洗浄が容易です。また、準備やケア時間の短縮・手間の削減にも効果がありました。さらに、患者様の皮膚状態の改善も手応えがあり嬉しくなります。
陰部ケアで使用する物品とスキナル 拭き取り泡ボディソープ
評判はいかがですか?
スタッフの間では、皮膚トラブルや陰臀部の悪臭の発生リスクが高い患者様のケアに適していると評価されています。当初は「洗い流してほしい」という患者様のご要望もありましたが、近年の陰部ケアでは清拭も一般的である旨を説明し、実際の清拭ケアを通じて、受け入れられています。患者様やご家族からは院内売店で気軽に入手できる利便性も好評です。
院内売店ではポップとチラシでご案内
スキナル 拭き取り泡ボディソープの使用により、陰部ケアにかかる時間が短縮されています。導入後も患者様の状態悪化は認められず、スムーズに運用できています。スタッフからは「業務負担が軽減され、他のケアに充てる時間が確保できた」との声もあります。ケア時間の短縮により、ケアの質向上につながるということは患者様・スタッフ双方にとって大きなメリットだと感じています。
また、一般的なボディソープと比べて泡持ちが非常によく、必要に応じて微温湯で簡単に洗い流せる点も良かったです。ケア時間の短縮やスタッフの負担軽減に加え、患者様の洗浄時の苦痛軽減にもつながっています。さらに、泡で優しく洗えるため、皮膚への負担が少なく、例えば拘縮のある患者様でも無理に手を開くことなく洗浄できるため、骨折などのリスクの低減につながっていると感じています。
NEXT STEP
今後の課題や目標をお聞かせください。
陰部ケア用の洗浄料の価格がもう少し下がると患者様も購入しやすくなるのかなと思います。せっかく良いものなので使用したいし、患者様に使っていただきやすくなれば使用範囲の拡大が期待できます。地域包括医療病棟では、現在は陰部清拭のみの使用ですが、空調による皮膚乾燥や夜間の掻痒対応として、保湿成分を含有した洗浄料が活用できれば患者様の快適性向上につながると考えています。スキンケアへの応用にも期待していますが、消費量やコスト面での課題があります。このような製品の認知度が上がることで、色々な製品が増え、購入のハードルも低くなるだろうなと思います。
今回インタビューをさせていただいた方々

左から、岩﨑愛 様、岩﨑聡美 様、西尾ゆうこ 様、山本直美 様、吉田千代子 様
編集後記
今回の取材では、スキナル 拭き取り泡ボディソープの陰部清拭や身体清拭についてお話を伺いました。洗浄から洗い流し不要の泡タイプ清拭へと変更することで、ケアの効率化はもちろん、患者様の皮膚トラブルリスク軽減や快適性の向上にもつながっていること、さらには症例研究を実施されるなど、患者様に寄り添ったケアをチーム一丸となって真摯に取り組まれていることに感銘を受けました。弊社におきましても、今後も患者様の生活の質向上と現場の支援につながる情報発信や製品開発に努めてまいります。(サラヤ株式会社 メディカル事業本部)
取材日:2026年6月16日

