製品情報

製品導入事例

敏感な部分を考慮し、皮膚にやさしい洗浄料を用いたケア

公益財団法人 日産厚生会 玉川病院
住所 〒158-0095
東京都世田谷区瀬田4丁目8-1
病床数 389床
全職員数 730名
手術件数 3,299件(平成26年度)
病院のホームページ http://www.tamagawa-hosp.jp/

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東京都世田谷区に位置する玉川病院は緑に囲まれた閑静な環境にあり、急性期病院として救急医療や入院医療を充実させ、リハビリテーションや自然気胸の内視鏡(胸腔鏡)治療、人工股関節治療などの専門医療にも先進的に取り組まれています。「最善の医療をめざし社会的貢献を果たす」という理念のもと、患者さまの視点を重視した思いやりに満ちた医療を提供し、信頼と安らぎのある病院として地域社会に貢献されています。

導入製品

プライムウォッシュ薬用洗浄料導入までの道のり

- プライムウォッシュ薬用洗浄料の導入を検討された背景は?
横溝 直子
看護部 師長 感染管理認定看護師

当院では患者さまの身体の洗浄用に通常のボディソープを使用しており、以前は、陰部などの敏感な部分の洗浄にも同じものを使用していました。このボディソープで皮膚に対するトラブルなどはありませんでしたが、液状タイプであったため、使用する際に泡立てる必要がありました。また、詰替えて使用していたため、容器は薬液がなくなるごとに洗浄・乾燥させていました。しかし、細部まで適切に洗浄・乾燥ができているのか疑問で、衛生面で問題を感じていました。
そこで、まずは衛生的な管理の必要性が高い陰部洗浄に使用する洗浄料を詰替えタイプからディスポーザブルタイプに変更したいと考えていたところ、ディスポーザブルタイプであるだけでなく、敏感な部分の洗浄にも適した「プライムウォッシュ薬用洗浄料」を紹介され、導入を検討しました。

- 導入の決め手は何でしたか?

衛生面で問題を感じていた詰替えタイプからディスポーザブルタイプに変更することは必須条件でした。その他、「皮膚にやさしい」洗浄料であるということを重要視しました。陰部洗浄が必要な患者さまは、おむつでかぶれてしまっていることや、便や尿などの汚れが刺激となり皮膚のバリア機能が損なわれていることがあります。そのような点では弱酸性・低刺激で皮膚にやさしく、汚れもしっかり落とすことができるプライムウォッシュ薬用洗浄料は適当と感じました。使用感は、皮膚・排泄ケア認定看護師にも相談し、問題がないことを確認しました。
次に容器の形状です。陰部洗浄の際には、ポンプタイプが使用しやすいと感じています。プライムウォッシュ薬用洗浄料の容器は、安定感がありポンプが押しやすいため、スムーズに作業を行えます。また、減容容器でつぶして廃棄できるため廃棄物量削減になり、環境にもやさしいと考えています。
最後にコストです。衛生面から詰替えタイプに問題があることは、経営層にも理解してもらっていましたが、ディスポーザブルタイプでなおかつ皮膚へのやさしさまで考慮した洗浄料に変更しようとすると一般的にはコスト高となり、導入が難しくなります。しかし、プライムウォッシュ薬用洗浄料は、品質も良く価格的にも導入を検討しやすかったということが、決め手の一つとなりました。
また、病院機能評価のタイミングも重なり、プライムウォッシュ薬用洗浄料の導入を決定しました。

プライムウォッシュ薬用洗浄料の導入後

- プライムウォッシュ薬用洗浄料の導入後、スタッフの方の評判はいかがですか?

一般的に製剤を変えると、変更当初はネガティブな意見が上がるものですが、プライムウォッシュ薬用洗浄料ではそれが全くないので、問題なく使用できていると思います。
泡タイプなので泡立てるという作業が減り、詰替える際の容器の洗浄・乾燥という作業もなくなったため、業務の軽減化にもつながりました。

-どのような場面、どのような頻度でプライムウォッシュ薬用洗浄料を使用されていますか?
陰部洗浄時に使用する物品

陰部洗浄や褥瘡周囲皮膚、傷周りなどの敏感な皮膚の洗浄に使用しています。例えば、陰部洗浄が必要な患者さまの人数は病棟により異なりますが、1日に1回は陰部洗浄を実施し、お通じなどで汚れた場合はその都度行っています。褥瘡の患者さまは数名でそれほど多くありません。洗浄はドレッシング材の交換時に行っています。皮膚・排泄ケア認定看護師が対応できることもあり、浅いうちに治癒するケースが大半です。

- おむつ交換や陰部洗浄の教育はどのようにされていますか?

おむつ交換は看護師が中心となり実施していますが、介護福祉士や看護補助者が行うこともあります。おむつ交換と陰部洗浄の手順に関しては、皮膚・排泄ケア認定看護師が演習教育しています。陰部洗浄の教育で特に注意している点は、すすぎです。皮膚にやさしい洗浄料を使用していても、すすぎが不十分では洗浄料が皮膚に残留し、皮膚炎などの原因となる可能性があります。プライムウォッシュ薬用洗浄料はすすぎ性が良いですが、それでも充分にすすぎを行うよう指導しています。おむつ交換や陰部洗浄の際の個人防護具(PPE)の着脱や手指衛生にかかわる部分のマニュアルはICCで作成しています。今後は、皮膚・排泄ケア認定看護師と協力しながら、PPEの着脱や手指衛生を含めた一連の流れを演習教育していきたいと考えています。
また、院内での対応のみならず、患者さまが退院された後、ご家族がご自宅でおむつ交換や陰部洗浄をされることもあります。必要な場合は、入院中に看護師がご家族に対しておむつ交換や陰部洗浄の指導を実施するなど、患者さまとご家族の退院後の生活まで念頭に置いたケアを目指しています。

NEXT STEP

-今後の課題や目標をお聞かせください。

これまでは、手指衛生や環境整備など、感染対策の基礎が院内でしっかり定着するよう活動してきました。また、リンクナースへの教育が実を結び、各部署で感染管理に関して責任を持って実施できるようになっています。今後は看護師だけではなく、コ・メディカルを含めたリンクスタッフの教育に力を入れ、院内全体でより積極的に感染対策に取り組んでいきたいと考えています。

今回インタビューさせていただいた方々
  • 横溝 直子様

    看護部 師長
    感染管理認定看護師

    横溝様の経歴

    1996年
    玉川病院 入職
    2013年
    感染管理認定看護師資格取得
    感染管理専従

編集後記

石鹸液だけではなくボディソープも感染対策の面からディスポーザブルタイプに変更したいという強い思いから、患者さまに配慮しながら問題点を改善するために具体的な行動を起こされた姿勢を素晴らしく感じました。また、院内での対応だけでなく、その後の在宅での対応も考えた患者さまとご家族の生活の質の向上を目指した取り組みに感銘を受けました。

取材日:2015年9月14日
インタビュー:サラヤ 吉田、羽鳥、齋藤

               

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