製品情報

製品導入事例

高頻度接触面を中心とした日常の環境管理

名古屋第一赤十字病院
住所 〒453-8511
名古屋市中村区道下町3丁目35番地
病床数 852床
全職員数 1,502人(平成23年5月1日現在)
手術件数 6757件(平成22年)
病院のホームページ http://www.nagoya-1st.jrc.or.jp

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昭和12年に創立された名古屋第一赤十字病院は、地域医療支援病院として急性期医療の中核の役割を担っており、多くの医療機関との連携を密にして地域医療に寄与されています。
平成21年1月にはすべての診療を一新した新病棟で開始され、さらに、高度な医療機器や電子カルテシステムを導入し、より効率よく良質かつ安全な医療を提供されています。
そして、新病棟は心のケアにも十分留意し、"癒しの森"を表現したゆとりのある空間が設けられており、庭園には病院を見守るようにナイチンゲールの銅像が飾られ、病める方々の心が癒されるよう配慮されています。

導入製品

プロベスト 導入までの道のり

- プロベストの導入を検討された背景は?
高坂久美子看護師長

平成21年にすべての診療は、一新した新病棟で行うこととなりました。また、新病棟の開設と同時期に電子カルテが導入されました。他の病院でパソコンのキーボードなどの汚染が原因でMRSAのアウトブレイクが起きたという事例を聞いたことがあったため、電子カルテ導入後の感染リスクの増加に不安を感じ、高頻度接触面などの環境衛生に対する処置を検討し始めました。

- 導入の決め手は何でしたか?

プロベストは中性で材質を傷めにくいため、パソコンなどのIT機器やME機器にも使用できるところが決め手となりました。
プロベスト導入前は、エタノールで清拭をしていましたが、材質に対する影響のためパソコンやマウス、キーボードなどのIT機器の清拭は薦められていませんでした。また、消毒剤であるエタノールだけでは汚れが取れないため、洗浄と除菌の両方ができるというところが導入のポイントになりました。

プロベスト 導入後

- プロベストの使用方法など、スタッフへの周知はどのようにされましたか?

清掃は助手の方がされるので、希釈方法や用途などを間違うことなく使えるように、スプレー容器には希釈倍率と希釈方法を書いたテプラを貼りました。具体的には、100倍希釈用のスプレー容器には「プロベスト原液1mL/水100mL」、50倍希釈用には「プロベスト原液1mL/水50mL」というテプラを貼り、一目で希釈倍率と希釈方法がわかるようにしました。そして、現物を見せながら、実際の使用方法を説明していきました。

プロベストのスプレー容器
いつでも使えるようにナースステーションの所々にスプレー容器が置かれている。一目でわかるようにテプラで希釈方法や使用場所などが示されている。
- 現在、プロベストはどのように使用されていますか?

不特定多数の人が常に触る電子カルテ、パソコン、ME機器やファイルは、毎朝1回助手が100倍希釈のプロベストをディスポタイプの不織布にしみこませて清拭しています。液晶画面は傷みやすく、また、手が接触することは少ないのでダスターで埃をとる程度にしています。清拭清掃の徹底と同時にパソコンなどを触るときは手指衛生も徹底しています。
共有のPDAやPHSは感染の媒介になりやすいので、勤務後や他の人に渡す前に100倍希釈のプロベストで必ず清拭します。床、患者のベット周辺、お風呂も100倍希釈で清掃しています。お風呂は洗浄後に拭きあげて、よく乾燥させ湿潤環境をつくらないようにしています。また、薬剤耐性菌の検出された感染症患者の病室の清掃の場合は50倍希釈のプロベストを使用しています。
現在、全館においてプロベストを同じ方法で使用し、環境衛生を徹底しています。

- プロベスト導入により何か変化はありましたか?

プロベスト導入前は、電子カルテの導入による感染症アウトブレイク発生の不安がありました。しかし、プロベストを導入して清掃を徹底することで職員の環境衛生の意識も高まったと思います。また、湿潤環境をつくらないよう水まわりの乾燥を徹底したり、手指衛生も遵守することによって、現在特に大きな問題は発生していません。NICUやICUでも早期からプロベストを使用していますが、環境管理と手指衛生の徹底によってMRSAの増加なども起こらず安心しています。

NEXT STEP

- 今後の環境管理における課題や検討事項をお聞かせください。

環境清掃の重要性が指摘されるようになってきました。しかし、プロベストのような第四級アンモニウム塩が配合された洗浄除菌剤の存在を知らない人もいるようです。また、第四級アンモニウム塩のような低水準消毒剤はMRSAやVREなどの薬剤耐性菌には効果がないと誤解している人もいるため、まだまだ環境管理については啓発の必要があると思います。環境を整えることは看護師の重要な役割であると考えているので、啓発活動も含め、今後も環境衛生に力をいれていきたいと考えています。

今回インタビューさせていただいた方々
  • 高坂 久美子 様

    医療安全推進室
    感染管理認定看護師
    感染対策看護師長

    高坂様の経歴

    1991年
    名古屋第一赤十字病院入職
    2004年
    ICTとして活動開始
    2007年
    日本看護協会認定感染管理認定看護師資格取得

  • 桑原 典子 様

    呼吸器センター看護師長

    桑原様の経歴

    1994年
    名古屋第一赤十字病院入職
    2004年
    ICTとして活動開始
    2007年
    JHA認定感染管理スタッフ資格取得

  • 小澤 賀子 様

    感染管理認定看護師
    呼吸器センター係長

    小澤様の経歴

    1991年
    名古屋第一赤十字病院入職
    2010年
    日本看護協会認定感染管理認定看護師資格取得
    2010年
    ICTとして活動開始

編集後記

現在、電子カルテを導入されている病院は少なくありませんが、パソコンのキーボードやマウスなどの高頻度接触面は微生物の伝播経路となることが報告されています。
名古屋第一赤十字病院の医療安全推進室では、電子カルテを導入される際に環境衛生に対する処置を講じられ、導入後は高頻度接触面の清拭とパソコンに触れる際の手指衛生の遵守を徹底されていました。日常の環境管理を徹底されることにより病棟における感染症のアウトブレイクを防ぐという職員の方の高い意識を感じました。

2011年6月20日
サラヤ学術部 吉田、引頭、野津

               

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