学術情報

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国内

消化器内視鏡の感染制御に関するマルチソサエティ実践ガイド 改訂版(2013年)

2008年に発表された日本環境感染学会、日本消化器内視鏡学会、日本消化器内視鏡技師会が合同で作成した「消化器内視鏡の洗浄・消毒マルチソサエティガイドライン」の改訂版であり、名称も「消化器内視鏡の感染制御に関するマルチソサエティ実践ガイド」に変更されています。消化器内視鏡の感染制御および洗浄・消毒に係る処理が中心にまとめられ、用手あるいは自動洗浄装置を用いて内視鏡を洗浄する際のポイントや、内視鏡付属品の再生処理方法についてなど、消化器内視鏡の再生処理の実践に即した内容になっています。本ガイドラインではスコープに用いる消毒薬として、過酢酸、グルタラール、フタラールの高水準消毒薬のみが推奨されました。電解酸性水(強酸性電解水をはじめとする機能水)に関しては、機能水の特性、欠点、そして内視鏡機器の殺菌効果に関して科学的根拠の上で不確実な点があることなどを正しく理解し、財団法人機能水研究振興財団発行の"機能水による消化器内視鏡洗浄消毒器の使用の手引き"などを参照の上、各施設の責任において適正かつ慎重に使用することが強く望まれています。全文は日本消化器内視鏡技師会のホームページから無料でダウンロードが可能です。

米国

Multisociety guideline on reprocessing flexible GI endoscopes and accessories 2021軟性消化器内視鏡および付属品の再生処理に関するマルチソサイエティガイドライン(2021年)

米国消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy: ASGE)主導のもと、米国内11機関の協働により作成されたガイドラインです。2003年の初版以降、3回目の改訂となり、軟性消化器内視鏡と新たにその付属品類を加えた再生処理と管理に関するガイドラインとして名称も変更されました。臨床現場での疑問点に対して文献の厳密な再調査と統合を行い、エビデンスに基づいた推奨事項を提供しています。全ての勧告は表2にまとめられ、10分野(職員の訓練と再生処理技術能力、内視鏡検査室のレイアウト、再生処理の予備洗浄、用手洗浄、高水準消毒、乾燥、保管、内視鏡付属品や備品、保守管理、内視鏡検査室の感染管理指導)に分けられた推奨事項には、推奨度の強さとエビデンスの質も記されています。消化器内視鏡の再生処理に関連する感染管理の必要性から、高水準消毒は自動洗浄・消毒装置で行うべきとの強い勧告がなされ、処理後は完全に乾燥させること、保管時に内視鏡を取り扱う際には手指衛生を行い、清潔な手袋の着用を勧めるなど、実用的で詳細な解説が示されています。
本ガイドラインはASGEの学術誌Gastrointestial Endoscopy(93(1): 11-33)でも発表されています。

Guideline for Use of High Level Disinfectants & Sterilants for Reprocessing Flexible Gastrointestinal Endoscopes ( 2013 )
軟性消化器内視鏡の再生処理のための高水準消毒剤および滅菌剤に関するガイドライン(2013年)

米国内視鏡看護協会(Society of Gastroenterology Nurses and Associates, Inc.)から発表された軟性消化器内視鏡の再生処理に関するガイドラインです。米国消化器内視鏡学会実行委員会の基準などでは、軟性内視鏡の標準処理として高水準消毒剤を認めています。いくつかの化学薬品は、FDAにより滅菌剤と高水準消毒剤の両方のカテゴリーで認可されていますが、このガイドラインは高水準消毒剤に重点を置いています。これら消毒剤の主要成分の特性、安全かつ効果的な使用、軟性内視鏡への適合性について情報を提供しています。