2013年手指消毒剤使用量アンケート

速乾性手指消毒剤の1回あたりの使用量について、国内外で様々な見解があります。
現状では、CDCの手指衛生のためのガイドラインに「手に塗布する理想的容量はわかっておらず、製品形態によって異なる可能性がある」との文言があるように、明確には定められていません。
そこで速乾性手指消毒剤に関して、皆さまのご施設でご使用の形態および1回あたりの使用量をどのように規定されているのかアンケートを実施させていただきました。

総評

ご施設で使用されている速乾性手指消毒剤はジェルタイプが約70%を占めています。日本では2000年代初頭に発売が開始されたジェルタイプが確実に浸透していることが伺えます。

また、手指消毒1回あたりの使用量や擦り込み時間に関しては約80%が何らかの規定をされています。
それぞれのタイプでの使用量および擦り込み時間は、液タイプで「3mL程度」および「15秒以上」、ジェルタイプで「2mL程度」および「15秒以上」、泡タイプで「3mL程度」が1番多くなっています(泡タイプの擦り込み時間は「15秒以上」および「20〜30秒以上」共に同数でした)。

使用量はジェルタイプの方が液タイプと比べると少ない傾向にあります。使用量による効果については、ジェルタイプは液タイプと比べ少ない量で同等の効果を示した、という報告(中川博雄他)があります。
擦り込み時間については、手指衛生に関するCDCガイドラインでは「10〜15秒間擦りあわせた後、手が乾いた感じであれば、塗布量が不十分」、WHOガイドラインでは「手指衛生の全手順にかける時間:20〜30秒(図解)」とあり、これらのガイドラインに即して規定されているようです。

【参考資料】
  • CDC.Guideline for Hand Hygiene in Health-Care Settings.MMWR:51(RR-16), 2002
  • 満田年宏 監訳.医療現場における手指衛生のためのCDCガイドライン.イマ インターナショナル.2003
  • 中川博雄他.ゲル状速乾性手指消毒剤の適正な擦り込み量に関する検討.環境感染誌:26(1), 2011
  • WHO.WHO Guidelines on Hand Hygiene in Health Care.2009

Q1ご使用の速乾性手指消毒剤の種類をお選びください。 (n=299)

液タイプ27%、泡タイプ6%、ジェルタイプ67%

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Q2ご使用の速乾性手指消毒剤の1回あたりの使用量や擦り込み時間を規定していますか? (n=299)

量を規定している60%、時間を規定している16%、規定していない23%、知らない1%

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Q3Q2で「量を規定している」あるいは「時間を規定している」とお答えの方にお伺いいたします。
どのように規定していますか?(n=228)

液タイプ:3mL程度59%、15秒以上12%、20〜30秒以上7%、その他12%、知らない2%、1mL程度3%、2mL程度5%

液タイプ「その他」の詳細はこちら

2mL以上
1
1プッシュ
4
両手全体にいきわたる量(概ね1プッシュ)
1
ディスペンサーで設定
1

(単位:人)

ジェルタイプ:20〜30秒以上4%、その他31%、知らない1%、1mL程度1%、2mL程度21%、3mL程度17%、15秒以上25%

ジェルタイプ「その他」の詳細はこちら

1.5cc
1
2mLかつ15秒以上
1
清潔処置前:3mL、連続して手袋を交換する処置等:2mL
1
10~15秒
1
30秒以上
1
1プッシュ
33
2プッシュ
5
3プッシュ
1
1プッシュかつ15秒以上
1
500円玉大
4
両手全体にいきわたる量
1

(単位:人)

泡タイプ:1mL程度・知らない0%、2mL程度9%、3mL程度18%、15秒以上9%、20〜30秒以上9%、その他55%

泡タイプ「その他」の詳細はこちら

1プッシュ
4
2プッシュ
1
ディスペンサーで2プッシュ
1

(単位:人)

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