2011年手指衛生遵守率向上アンケート

手指衛生遵守率(コンプライアンス)向上のために、皆さまのご施設で、どのような取り組みをされているか、またどのような取り組みをしたいと考えておられるか、アンケートを実施させていただきました。

総評

多くの方が手指衛生遵守率向上のために何か取り組みを実施されています(実施中:93%、過去に実施:99%、実施予定:98%)。中でも院内勉強会の実施、啓発ポスター等の掲示、蛍光塗料などを用いた洗い残し/手指消毒漏れのチェックの実施率が非常に高くなっています。何らかの取り組みを実施された方の中で64%の方が「効果があった」と感じられている一方で、悩みも多く抱えておられることが分かりました。

手指衛生製品の使用量調査方法は払い出し量/請求量(59%)、測定の間隔は1ヶ月(73%)が最も多くなっています。容器に線を引いたり、重量を測定する方法は、手間はかかりますが精度が高く、実際に使用した量を調べることができます。払い出し量/請求量は必ずしも実際の使用量を反映しているとは限りませんが、効率よくある程度の状況が把握できます。ご施設の状況や目的に合った方法で使用量調査を実施されることが有用だと考えられます。

本アンケート結果が皆様の今後の取り組みの参考となれば幸いです。

Q1現在、手指衛生遵守率向上のために何か取り組まれていますか?(n=216)

はい93%、いいえ7%

現在、手指衛生遵守率向上のために取り組まれている内容をお選びください。(複数回答可)

啓発ポスター等の掲示:はい79%、いいえ21%/院内勉強会:はい82%、いいえ18%/マニュアルの作成:はい58%、いいえ42%/携帯用て指消毒剤の配布:はい29%、いいえ71%/ハンドケア剤の設置:はい44%、いいえ56%/手洗いチェックラウンドの実施:はい52%、いいえ48%/手指衛生製品の使用量調査:はい54%、いいえ46%/蛍光塗料などを用いた洗い残し・手指消毒漏れのチェック:はい69%、いいえ31%/手指衛生前後の細菌培養調査:はい12%、いいえ88%/直接観察による手指衛生遵守率調査:はい18%、いいえ82%/手指衛生遵守率と院内感染率との関係調査:はい16%、いいえ84%/ラウンド、使用量調査等のフィードバック:はい47%、いいえ53%/その他:はい5%、いいえ95%

(1)その他の詳細はこちら

手指衛生強化期間の設定
2
患者さんからの評価
1
患者(子ども)・家族を対象にした手洗いキャンペーン
1
手指衛生キャンペーン
1
手洗いセルフチェック
1
特定の処置時の自己チェックによる手洗い遵守率調査
1
附属看護学校への介入
1
医療安全全国共同行動 医療関連感染症の防止
1
手洗い前後のATP測定
1

(単位:人)

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Q2過去、手指衛生遵守率向上のために何か取り組まれましたか?(n=216)

はい99%、いいえ1%

過去、手指衛生遵守率向上のために取り組まれたことのある内容をお選びください。(複数回答可)

啓発ポスター等の掲示:はい75%、いいえ25%/院内勉強会:はい86%、いいえ14%/マニュアルの作成:はい65%、いいえ35%/携帯用て指消毒剤の配布:はい38%、いいえ62%/ハンドケア剤の設置:はい45%、いいえ55%/手洗いチェックラウンドの実施:はい49%、いいえ51%/手指衛生製品の使用量調査:はい43%、いいえ57%/蛍光塗料などを用いた洗い残し・手指消毒漏れのチェック:はい76%、いいえ24%/手指衛生前後の細菌培養調査:はい33%、いいえ67%/直接観察による手指衛生遵守率調査:はい24%、いいえ76%/手指衛生遵守率と院内感染率との関係調査:はい17%、いいえ83%/ラウンド、使用量調査等のフィードバック:はい41%、いいえ59%/その他:はい3%、いいえ97%

(1)その他の詳細はこちら

手指衛生強化期間の設定
1
手洗いセルフチェック
1
附属看護学校への介入
1
手指衛生キャンペーン
1
アンケート調査
1

(単位:人)

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Q3今後、手指衛生遵守率向上のために何か取り組まれる予定はありますか?(n=216)

はい98%、いいえ2%

今後、手指衛生遵守率向上のために何か取り組まれる予定のある方
取り組まれる予定の内容をお選びください。(複数回答可)

啓発ポスター等の掲示:はい44%、いいえ56%/院内勉強会:はい59%、いいえ41%/マニュアルの作成:はい31%、いいえ69%/携帯用て指消毒剤の配布:はい22%、いいえ78%/ハンドケア剤の設置:はい32%、いいえ68%/手洗いチェックラウンドの実施:はい43%、いいえ57%/手指衛生製品の使用量調査:はい35%、いいえ65%/蛍光塗料などを用いた洗い残し・手指消毒漏れのチェック:はい45%、いいえ55%/手指衛生前後の細菌培養調査:はい22%、いいえ78%/直接観察による手指衛生遵守率調査:はい28%、いいえ72%/手指衛生遵守率と院内感染率との関係調査:はい34%、いいえ66%/ラウンド、使用量調査等のフィードバック:はい39%、いいえ61%/その他:はい4%、いいえ96%

(1)その他の詳細はこちら

院内に訪問する全ての人に啓発および監視効果が上がるようなポスターの検討
1
子ども達対象の手洗いかるた大会
1
速乾性手指消毒剤の変更(サラヤ製品へ)
1
使用量調査で目標値の設定
1
タイミングなどについての教育
1
アンケート調査
1
ATP測定器による手洗いチェック
1
従来通り実施していく予定
1
具体的には未定
1

(単位:人)

今後、手指衛生遵守率向上のために何か取り組まれる予定のない方
取り組んでみたい内容をお選びください。(複数回答可)

啓発ポスター等の掲示:はい20%、いいえ80%/院内勉強会:はい20%、いいえ80%/マニュアルの作成:はい20%、いいえ80%/携帯用て指消毒剤の配布:はい20%、いいえ80%/ハンドケア剤の設置:はい20%、いいえ80%/手洗いチェックラウンドの実施:はい20%、いいえ80%/手指衛生製品の使用量調査:はい20%、いいえ80%/蛍光塗料などを用いた洗い残し・手指消毒漏れのチェック:はい20%、いいえ80%/手指衛生前後の細菌培養調査:はい0%、いいえ100%/直接観察による手指衛生遵守率調査:はい0%、いいえ100%/手指衛生遵守率と院内感染率との関係調査:はい0%、いいえ100%/ラウンド、使用量調査等のフィードバック:はい0%、いいえ100%/その他:はい0%、いいえ100%

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Q4Q1(現在)、2(過去)のいずれか、もしくは両方で「手指衛生製品の使用量調査」とお答えいただいた方。
具体的な測定方法、実施期間などをご記入ください。

測定方法:測定方法の記入なし49%、測定方法の記入あり51%
払い出し量/請求量:はい59%、いいえ41%/容器に線を引く:はい31%、69%/重量測定:はい16%、いいえ84%/カウンターで手指衛生の実施回数を測定:はい3%、いいえ97%/空ボトル数:はい3%、いいえ97%/専用ソフト:はい3%、いいえ97%
測定の間隔:測定の間隔の記入なし25%、測定の間隔の記入あり75%
イベント(ラウンド、勉強会など)毎/不定期:はい5%、いいえ95%/1年:はい9%、いいえ91%/6ヶ月:はい3%、いいえ97%/3ヶ月:はい5%、いいえ95%/2ヶ月:はい1%、いいえ99%/1ヶ月:はい73%、いいえ27%/4週間:はい1%、いいえ99%/2週間:はい4%、いいえ96%/1週間:はい10%、いいえ90%/毎日:はい2%、いいえ98%
結果の報告方法:結果の報告方法の記入なし90%、結果の報告方法の記入あり10%
リンクナース会で報告:はい15%、いいえ85%/師長会で報告:はい8%、いいえ92%/感染対策委員会で報告:はい62%、いいえ38%/病棟/部署毎にグラフ化:はい31%、いいえ69%

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Q5手指衛生遵守率向上の取り組みを行われた方。
「効果があった」と感じられた取り組み内容をご記入ください。(n=216)

記入なし36%、記入あり64%
啓発ポスター等の掲示:はい11%、いいえ89%/院内勉強会の実施:はい22%、いいえ78%/マニュアルの作成:はい2%、いいえ98%/携帯用手指消毒剤の配布:はい9%、91%/ハンドケア剤の設置:はい1%、いいえ99%/ラウンドの実施:はい11%、いいえ89%/手指衛生製品の使用量調査:はい11%、いいえ89%/蛍光塗料などを用いた洗い残し/手指消毒漏れのチェック:はい30%、いいえ70%/手指衛生前後の細菌培養調査:はい6%、いいえ94%/直接観察による手指衛生遵守率調査:はい12%、いいえ88%/手指衛生遵守率と院内感染率との関係調査:はい2%、いいえ98%/ラウンド、使用量調査等のフィードバック:はい13%、いいえ87%/その他:はい33%、いいえ67%

(1)具体的な掲示物はこちら

ポスター
10
手洗い方法
1
包交車への手指衛生の重要性の貼付
1
ラウンド時に写真
1
スクリーンセーバー
1
マニュアル
1

(単位:人)

(2)その他の詳細はこちら

情報提供
4
取り組みの反復/継続
4
目標値の設定
3
製品設置場所の変更/追加
3
製品変更
3
サーベイランス
2
セルフチェック
2
声かけ運動
2
表彰
2
複数の製品から選べるようにした
1
蛍光塗料を用いた実際の業務における汚染伝播の確認
1
抜き打ち手洗いチェック
1
ATP測定
1
意識調査
1
環境衛生調査
1

(単位:人)

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Q6手指衛生遵守率向上に関して、お悩みなどございましたらご記入ください。(n=216)

記入なし36%、記入あり64%
手指衛生の実践:はい29%、いいえ71%/効果がない/持続しない:はい29%、いいえ71%/教育:はい23%、いいえ77%/手荒れ:はい18%、いいえ82%/遵守率に差がある:はい16%、いいえ84%/チェック方法:はい8%、いいえ92%/意識/レベルに差がある:はい8%、いいえ92%/製品:はい4%、いいえ96%/今後どうすれば良いかわからない:はい4%、いいえ96%/その他:はい11%、いいえ89%

(1)手指衛生の実践の詳細はこちら

使用量が少ない
9
適切なタイミングで実施できていない
8
多忙で手洗い時間が短い/手洗い時間の確保が難しい
6
遵守率が向上しない
5
1処置1手指衛生の実施が難しい
3
石けんと流水による手洗いから手指消毒への移行が難しい
2
アルコール禁の人の手指衛生をどうすれば良いか
2
正しい方法で実施できていない
1
冬場は水が冷たい
1
ニトリル手袋着脱時の手指衛生管理
1
患者の手洗いをどうすれば良いか
1
携帯タイプへの移行
1

(単位:人)

(2)教育の詳細はこちら

意識/行動改革
8
周知徹底
6
医師へのアプローチ
5
教育方法/内容
3
習慣化
2
コメディカルへのアプローチ
2
年長者へのアプローチ
1
患者家族へのアプローチ
1
教育が不十分
1
時間がとれない
1
指導の難しさ
1
理解してもらえない
1

(単位:人)

(3)遵守率に差があるの詳細はこちら

部署差
5
個人差
4
職種差:医師が低い
7
職種差:介護員が低い
2
職種差:看護師が低い
1
職種差:直接患者に接しない職員が低い
1
タイミングによる差
1

(単位:人)

(4)チェック方法の詳細はこちら

業務が過密な中でどのようにサーベイランスをしていけば良いか
1
誰がチェックをするのか
1
1回当たりの使用量が少ないと正しい回数が算出できない
1
使用量が遵守率を反映しているか疑問
1
標準化された算出方法がないため、他施設と比較できない
1
遵守率の求め方が漠然としている
1
5つのタイミングの実施状況のチェック方法が難しい
1
十分なラウンドができていない
1
使用量の継続的な調査までできていない
1
介入の評価方法
1
タイムリーなチェックができない
1
培養結果が出るまでに時間がかかる
1

(単位:人)

(5)意識・レベルに差があるの詳細はこちら

個人差
7
職種差
3
部署差
1

(単位:人)

(6)製品の詳細はこちら

長時間作用型手指衛生剤の開発
1
手洗いと手指消毒の両者に使える蛍光剤含有チェッカーローション
1
手指衛生遵守を簡単に集計できるソフト
1
軽く押しても薬液が出てしまう
1
ハンドケア剤の導入が難しい
1
薬剤部の影響で良い製品が導入できない
1

(単位:人)

(7)その他の詳細はこちら

ハンドケアの浸透
2
マンパワー不足
2
動線
1
細菌培養などコストがかかる検査ができない
1
組織風土改革
1
全病室に水道設置が困難
1
全部署にカウンター設置が困難
1
サーベイランスで手洗いに原因の可能性がある菌が検出された
1
他施設で手指衛生をどうのようにしているか情報がほしい
1
取り組みの検証/フィードバックができていない
1
手指衛生が浸透しているか全体の確認ができない
1
日々における実態が把握しにくい
1
病室入口に手指消毒剤は必要か
1

(単位:人)

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