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個人防護具(PPE)のススメ
各PPEの選定規格基準

マスクの規格基準

日本には医療用マスクの性能規格基準が存在しません。しかし、医療現場では湿性生体物質などの液体防御性能がない製品はPPEとしての役割を果たしません。
米国ではASTM(米国試験材料協会)が医療用マスクの素材条件を定めているため、マスク選択の参考にします。

サージカルマスクの選定

医療用マスクの素材条件(ASTM F2100-4)
特性 低バリア 中バリア 高バリア
細菌濾過率(%) ≧95 ≧98 ≧98
微粒子濾過率(%) 評価対象外 ≧98 ≧98
呼気抵抗(㎜H2O/㎝2 <4.0 <5.0 <5.0
血液不浸透性(㎜Hg) 80 120 160
延燃性 Class1 Class1 Class1

ASTM F2100-04 : Standard Specification for Performance of Materials Used in Medical Face Masks. 2004

  1. 細菌濾過率(%)【BFE】
    細菌を含む、平均約3μmの粒子が濾過された率を示します。
  2. 微粒子濾過率(%)【PFE】
    平均約0.1μmの微粒子が濾過された率を示します。
  3. 呼気抵抗(㎜H2O/㎝2)【⊿P】
    呼吸のしやすさを示します。
  4. 血液不浸透性(㎜Hg)【FR】
    液体(血液)が飛散した場合、どの程度の圧力にまで耐えうるかを示します。
  5. 延燃性
    電気メスを使用する手術室などにおいて、炎の広がりにくさを示します。
    クラス1~3まで3段階に分かれ、数値が小さいほど燃えにくいことを表します。

N95マスクの選定

NIOSH(米国労働衛生研究所)では耐油性能と微粒子捕集効率によって9種類のクラスを設けており、N95マスクとは、「耐油性がない(Not resistant to oil)が0.3μm以上の微粒子を95%以上濾過できる」という性能を示しています。

呼吸器防護規格(NIOSH)
クラス 捕集効率(%) テスト粒子
N Not resistant to oil
耐油性なし
N95 95 エアロゾル化した
塩化ナトリウム
N99 99
N100 99.97
R Resistant to oil
耐油性あり
R95 95 エアロゾル化した
フタル酸ジオクチル
R99 99
R100 99.97
P Oil Proof
防油性あり
P95 95 エアロゾル化した
フタル酸ジオクチル
P99 99
P100 99.97

NIOSH : 42 CFR Part 84 Respiratory Protective Devices

医療現場では耐油性能は求められていないこと、N99やN100は呼気抵抗が高く日常の使用には向いていないことから、N95マスクが選択されています。

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